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天白橋の内視鏡ブログ

さて、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が無事終わった!その後のこんな症状大丈夫?

大腸内視鏡検査

みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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大腸内視鏡検査、お疲れ様でした!検査後はお腹の調子が気になる方も多いのではないでしょうか?「お腹が張る」「軽い痛みがある」など、検査後の一般的な症状は、腸が検査に驚いた結果と考えられます。多くの場合、時間の経過とともに落ち着きますが、気になる症状がある場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。この記事では、検査後のよくある症状や注意点、そして、腹痛やお腹の張りなどを和らげるための具体的な方法を紹介します。検査後の不安を解消し、快適な回復をサポートします。

大腸内視鏡検査後の一般的な経過と注意点

大腸内視鏡検査が終わると、ホッと胸をなでおろすのと同時に、「その後のお腹はどうなるのかな?」と、ちょっと不安な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、検査後によくある症状や注意すべきことを、できるだけ丁寧に説明していきますね。

検査後の腹痛や腹部膨満感の一般的な症状

検査後、お腹が張ったり、軽い痛みを感じたりすることがあります。

これは、検査の際に腸の中をきれいに見やすくするために空気を入れたり、カメラの入った細い管を挿入することで、腸が少し驚いてしまうことが原因として考えられます。

例えば、皆さんが大好きな風船を想像してみてください。

風船がしぼんだ状態から、フーッと息を吹き込んで膨らませると、最初は少し違和感がありますよね?

大腸内視鏡検査でも、同じように腸に空気が入ることで、一時的に膨満感や軽い痛みを感じることがあるんです。

これらの症状は、多くの場合、時間の経過とともに自然と落ち着いていきます。

しかし、痛みが「うっ…」と顔をしかめてしまうほど強かったり、「いつまでもお腹が苦しいな…」と感じる場合は、我慢せずに医師に相談してくださいね。

検査後の腹痛や腹部膨満感を和らげるコツ

  • 横になって、楽な姿勢で休む
  • 温かいタオルをお腹に優しく当ててみる
  • 消化の良いものを、無理のない程度に少しずつ食べる

血便が出た場合の対処法

検査後、少量の出血がみられることがあります。特にポリープというイボのようなもの を切除した場合には、出血が起こりやすくなります。

これは、切除した部分の傷口から出血するためで、多くの場合、時間の経過とともに自然と止まります。

しかし、鮮やかな赤い血が便器の水が真っ赤になるほど大量に出たり、「あれ?便が真っ黒だ…」と驚くほど黒いタール状の便が出たり、血便が何日も続く場合には、すぐに医療機関に連絡しましょう。

血便の色と状態

状態 緊急性
鮮やかな赤色 ドロッとした感じ、または水のようにサラサラしている ⚠️要注意!すぐに医療機関に連絡!
黒っぽい色 便が黒く、ベタベタしている ⚠️要注意!すぐに医療機関に連絡!
赤褐色 便に血が混ざっている 少し様子を見ましょう。心配な場合は医療機関に連絡を。

食事制限の具体例と注意点

検査後、しばらくの間は、消化の良い食事を心がけるようにしましょう。

これは、検査によって少し疲れてしまった腸に負担をかけないためです。

検査後、避けた方が良い食べ物

  • 香辛料の多い刺激物: 例えば、カレーライス、キムチ鍋、麻婆豆腐などです。これらの食べ物は、胃腸を刺激しやすく、検査後の負担になる可能性があります。
  • 脂肪分の多い食事: 例えば、とんかつ、ラーメン、天ぷらなどです。脂肪分が多い食事は消化に時間がかかり、胃腸に負担がかかりやすいです。
  • ガスが発生しやすい食品: 例えば、豆類、キャベツ、炭酸飲料などです。ガスが発生すると、お腹が張りやすくなり、不快感を感じやすくなります。

検査後、おすすめの食べ物

  • おかゆ: お米を柔らかく煮たおかゆは、消化がよく、胃腸に優しい食べ物です。
  • うどん: うどんも消化がよく、胃腸に負担をかけにくい麺類です。
  • 豆腐: 豆腐は、高タンパク質で低脂肪な食品であり、消化が良いです。
  • 白身魚: 白身魚は、脂肪が少なく消化がよい魚です。
  • 鶏のささみ: 鶏のささみは、高タンパク質で低脂肪な部位であり、消化しやすいです。

これらの食事は消化がよく、腸への負担が少ないため、検査後の回復を助けます。また、水分を十分に摂ることも大切です。

食事は、焦らずに徐々に通常の食事に戻していきましょう。

ただし、個人差がありますので、「これでいいのかな?」と不安な場合は、医師や看護師に相談するようにしてください。

 

ポリープ切除後の入院期間と回復の目安

大腸内視鏡検査でポリープが見つかり、切除することになったら、気になるのはその後の経過ですよね。

「ポリープ切除って、一体どれくらい入院するの?」

「退院後はどんな生活を送ればいいの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ポリープ切除後の入院期間や回復までの目安について解説していきます。

なお、当院では10mm程度のポリープまでは外来で日帰りポリープ切除術を施行、

より大きいポリープは高度機能病院にご紹介させていただき、入院での治療となります。

標準的な入院期間とその理由

ポリープ切除後の入院期間は、ポリープの大きさや数、切除方法、そしてあなたの体の状態によって異なります。

例えば、小さなポリープを1~2個切除しただけであれば、日帰り手術や1泊入院で済むこともあります。これは、体に負担の少ない切除方法で行われることが多いためです。

一方、ポリープが大きかったり、たくさんあったりする場合、あるいは、心臓病などの基礎疾患がある場合は、1週間程度の入院が必要になることもあります。

「えー、そんなに長く入院するの?」

と不安に思う方もいるかもしれません。

でも、安心してください。入院中は、医師や看護師が、出血や腹痛などの症状がないか、24時間体制で注意深く観察します。

例えるなら、ホテルに泊まって、身の回りのお世話をしてもらっているようなものです。

食事も、消化の良いものを病院の栄養士さんが考えてくれますし、トイレの心配もありません。

安心して体を休めながら、回復に専念できますのでご安心ください。

ポリープ切除後の具体的な回復過程

では、ポリープ切除後、体はどう回復していくのでしょうか?

個人差はありますが、一般的な経過を、わかりやすく日にちを追って説明します。

【術後1~2日】

  • 手術の傷口が少し痛んだり、お腹が張ったりすることがあります。これは、手術の際に腸の中に空気を入れたり、切除した部分の傷口が腫れたりするためです。
  • 痛みや張りは、時間の経過とともに少しずつ軽くなっていくので、心配しすぎないでください。

【術後3~4日】

  • 食欲が出てきて、普通に食事ができるようになります。
  • トイレも問題なく、自分で歩けるようになるので、院内をゆっくり散歩することもできます。

【術後1週間後】

  • ほとんどの場合、日常生活に支障なく過ごせるようになります。

【術後2週間後】

  • 退院後の経過観察のために、再度病院を受診します。
  • 医師の診察を受け、問題がなければ、通常の生活に戻ることができます。

このように、段階的に回復していきますが、もし、「あれ?なんだかいつもと違うぞ?」と感じたら、我慢せずに、すぐに病院にご連絡ください。

ただ、当院の日帰り手術ですとそこまでの苦痛は感じないと考えております。

退院後の生活と注意すべきこと(天白橋は日帰りです!!)

「やっと退院!これで自由だ!」

と、開放的な気分になる一方で、「あれもダメかな?これもダメかな?」と、少し不安な気持ちになる方もいるかもしれません。

退院後は、日常生活の中でいくつか注意すべきことがありますので、以下を参考にしてみてください。

【食事】

  • 退院後数日間は、消化の良いものを中心に食べ、香辛料をたくさん使った刺激物は控えましょう。
  • 具体的には、うどんやおかゆ、豆腐など、お腹に優しいものがおすすめです。
  • また、アルコールやカフェインの摂取も、胃腸に負担をかけやすいため、控えるようにしましょう。

【運動】

  • マラソンや激しい筋トレなどは避け、ウォーキングなどの軽い運動から始めましょう。
  • 無理のない範囲で、徐々に体を動かしていくことが大切です。

【入浴】

  • シャワーは退院後すぐに可能ですが、湯船につかるのは、医師の指示に従ってください。
  • 熱いお湯に長時間つかることは、血行が良くなりすぎて、出血のリスクを高める可能性があります。

【仕事】

  • 仕事の内容や体調にもよりますが、1週間程度は休養し、その後、徐々に仕事に復帰していくことをおすすめします。

これらの注意点を守りながら、規則正しい生活を送り、体調を整えていきましょう。

そして、不安なことがあれば、ご家族や友人に相談したり、医療機関に連絡したりするなど、一人で抱え込まず、誰かに頼るようにしてください。

大腸内視鏡検査後の体調不良を軽減する方法

大腸内視鏡検査、お疲れ様でした!検査が終わると「これで一安心」と同時に、「お腹の調子はどうなるのかな?」と少し不安な気持ちになる方もいるかもしれませんね。

検査後、お腹が張ったり、軽い痛みを感じたりするのはよくあること。これは、検査中に腸の中を観察しやすくするために空気を入れたり、カメラの入った管を挿入することで、腸が少し驚いてしまうことが原因として考えられます。

例えば、風船がしぼんだ状態から、フーッと息を吹き込んで膨らませると、最初は「ん?」と違和感があるのと似ています。

これらの症状は多くの場合、時間の経過とともに自然と落ち着いていきます。しかし、もし痛みが強かったり、長引いたりする場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。

漸進的筋弛緩法の効果と実践方法

「検査後も、お腹が少し張った感じがするなぁ…」

そんな時は、「漸進的筋弛緩法」を試してみてはいかがでしょうか?

これは、筋肉を意識的に緊張させてから力を抜くことで、体の力を上手に抜いてリラックスする方法です。

「え?筋肉を緊張させるの?逆にしんどくならない?」

と思うかもしれませんが、ご安心ください。

大腸内視鏡検査後の腹痛やお腹の張りを和らげるのに効果があるという研究結果もあるんですよ。

例えば、お家でリラックスしている時、こんな風にやってみましょう。

  1. 楽な姿勢で椅子に座るか、ベッドに横になります。
  2. ゆっくりと息を吸いながら、ぎゅーっと手に力を入れて5秒間握りしめます。
  3. 5秒経ったら、今度はゆっくりと息を吐きながら、握っていた手をパッと開いて力を抜きます。
  4. これを、手だけでなく、足やお腹、顔など、体のいろいろな部分で順番に行います。

まるで、全身の力が抜けていくような、心地よさを感じられるはずです。

ポイントは、力を抜く時に「ふーっ」と息を吐き出すこと。

息を吐くことで、副交感神経が優位になり、よりリラックス効果が高まります。

この漸進的筋弛緩法は、大腸内視鏡検査後だけでなく、緊張しやすい時や、なかなか寝付けない時にも効果が期待できます。ぜひ、日常生活にも取り入れてみてくださいね。

日常生活での注意点とアドバイス

検査後はお腹が少しデリケートになっている状態です。

そこで、日常生活で少しだけ気を付けてほしいポイントをご紹介します。

  • 食事: 検査後は、まるで赤ちゃんに初めて離乳食を与えるように、消化の良いものを少しずつ食べ始めましょう。

    例えば、おかゆやスープ、うどん、豆腐などがおすすめです。

    反対に、辛いものや脂っこいもの、刺激物は、お腹に負担がかかってしまうので、しばらく控えるようにしましょう。

    「カレーライスが食べたい!」と思っても、ここはグッと我慢です。

  • 水分: 水分は、体にとって大切ですが、一度にたくさん飲むとお腹が張ってしまう場合があるので、少しずつ、こまめに飲むように心がけましょう。

    イメージとしては、ちょろちょろと流れる小川のように、一定のペースで水分補給をするのが理想です。

  • 運動: 激しい運動は避け、軽い散歩など、無理のない程度に体を動かすようにしましょう。

    適度な運動は、お腹の調子を整えてくれるだけでなく、気分転換にもなりますよ。

    ただし、急に激しい運動をすると、体に負担がかかってしまうので、ウォーキングなどの軽い運動から始めましょう。

  • 安静: 検査後はゆっくり休むようにしましょう。疲れているときは、無理せず横になって休んでください。

    睡眠をしっかりとることも、体の回復を促すためにはとても大切です。

異常を感じた際の相談先とサポート体制

検査後、もしも「あれ?ちょっとおかしいな?」と感じることがあれば、一人で悩まずに、すぐにクリニックに連絡してください。

例えば、次のような症状が出た場合は、迷わずに連絡してくださいね。

  • 便器が真っ赤になるほどの鮮血の便が続く
  • 熱が38度以上あり、なかなか下がらない
  • お腹の痛みがどんどん強くなっていく
  • 吐き気や嘔吐が続いていて、水分も取れない

天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さんが安心して検査を受けていただけるよう、スタッフ一同でサポートさせていただきますので、ご心配なことがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

まとめ

大腸内視鏡検査後のよくある症状や注意点について解説しました。検査後はお腹が張ったり、軽い痛みを感じたりすることがありますが、多くの場合は時間の経過とともに落ち着きます。しかし、強い痛みや血便が続く場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。ポリープ切除後の入院期間はポリープの大きさや数、切除方法、体の状態によって異なりますが、医師や看護師のサポートを受けながら安心して回復に専念できます。退院後は、消化の良い食事を心がけ、無理のない運動を心がけ、十分な休息をとるようにしましょう。不安なことがあれば、医療機関に相談してください。

 

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。




令和6年8月20日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  • Tanrıverdi S, Parlar Kılıç S. The Effect of Progressive Muscle Relaxation on Abdominal Pain and Distension in Colonoscopy Patients. Journal of perianesthesia nursing 38, no. 2 (2023): 224-231.

追加情報

[title]: The Effect of Progressive Muscle Relaxation on Abdominal Pain and Distension in Colonoscopy Patients.,

大腸内視鏡検査における腹痛と腹部膨満感に対する漸進的筋弛緩法の効果

【要約】

  • 本研究は、大腸内視鏡検査患者における腹痛と腹部膨満感に対する漸進的筋弛緩法の効果を調査することを目的とした。

  • ランダム化比較対照試験デザインを採用した。

  • 実験群には漸進的筋弛緩法(PMR)について説明し、音声録音を提供した。

  • 大腸内視鏡検査後、腹痛(視覚アナログ尺度(VAS)疼痛)と腹部膨満感(VAS 腹部膨満感)スコアを評価した後、PMR を 30 分間実施し、再び疼痛スコアを測定した。対照群では、大腸内視鏡検査後と 30 分後に VAS 疼痛と VAS 腹部膨満感スコアを測定した。

  • すべての患者について、検査後 2 時間、4 時間、8 時間、12 時間、16 時間、24 時間に VAS 腹部疼痛と VAS 腹部膨満感スコアを評価した。

  • 大腸内視鏡検査の翌日、事後試験データが収集された。

  • 介入群と対照群の検査前 VAS 疼痛と VAS 腹部膨満感の平均スコアは、類似していた(P > .05)。

  • 介入群では、検査後、VAS 疼痛と VAS 腹部膨満感の平均スコアが有意に低下した(P < .05)。

  • PMR は、大腸内視鏡検査後の腹痛と腹部膨満感を軽減する上で効果的であることが判明した。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36328945,

[quote_source]: Tanrıverdi S and Parlar Kılıç S. "The Effect of Progressive Muscle Relaxation on Abdominal Pain and Distension in Colonoscopy Patients." Journal of perianesthesia nursing : official journal of the American Society of PeriAnesthesia Nurses 38, no. 2 (2023): 224-231.