「内視鏡 鎮静」「苦しくない 内視鏡」「鎮静 胃カメラ」「鎮静 大腸内視鏡検査」内視鏡鎮静に朗報!保険適用となったアネレムとは?ミタゾラムとの違いは何?

内視鏡検査、不安ではありませんか? 口や鼻、肛門から挿入される内視鏡…。想像するだけで身構えてしまう方も多いでしょう。しかし、消化管の病気を早期発見・診断するには、内視鏡検査は非常に重要です。\n\n
そこで朗報です。 つらい内視鏡検査の負担を軽減する鎮静剤「アネレム」が保険適用に。従来の鎮静剤とは何が違うのでしょうか? 実は、アネレムには、穏やかな鎮静作用、検査後の速やかな回復、そして副作用が少ないという3つの大きなメリットがあります。\n\n
この記事では、アネレムを用いた内視鏡鎮静法のメリットや、従来のミダゾラムとの違いを詳しく解説します。快適な内視鏡検査で、あなたの健康を守りましょう。
【この記事の著者のご紹介】
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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アネレムを使った内視鏡鎮静法のメリット3選
内視鏡検査は、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の内部を直接観察できるため、病気の早期発見や正確な診断に非常に役立つ検査です。しかし、「検査が苦しそう」「検査中に気分が悪くなったらどうしよう」といった不安を抱えている方も少なくありません。
そこで、当院では患者様の負担を軽減するため、アネレムという鎮静剤を用いた内視鏡検査を実施しています。アネレムは、従来の鎮静剤と比較して多くのメリットがあり、より快適に検査を受けていただくことができます。具体的には、以下のような3つのメリットがあります。

穏やかな鎮静作用で検査中の苦痛や不安を軽減
内視鏡検査では、口や鼻、肛門から内視鏡という細い管を挿入します。そのため、「オエッ」となる嘔吐反射や、お腹の張りといった不快感を覚える方もいらっしゃいます。
アネレムは、α2アドレナリン受容体という神経の働きを抑えることで、鎮静作用を発揮します。この作用により、検査中の緊張や不安が和らぎ、リラックスした状態で検査を受けていただくことができます。従来の鎮静剤であるミダゾラムのように意識を完全に消失させるのではなく、穏やかな鎮静状態を保つため、検査中に医師との会話も可能です。検査中に医師から指示があればそれに従うこともできますし、もし何か異変を感じた場合も伝えることができます。
検査後の速やかな回復
従来の鎮静剤であるミダゾラムでは、検査後にしばらくの間、ボーッとした状態が続くことがあります。そのため、検査後すぐに帰宅することが難しく、付き添いの方が必要となる場合もありました。
アネレムは、ミダゾラムと比較して作用時間が短く、体内で速やかに分解されます。そのため、検査後の回復が早く、日常生活への復帰もスムーズです。多くの患者様は検査終了後30分程度で覚醒し、その後1時間程度で歩行などの日常生活動作が可能になります。これは、従来の鎮静剤に比べて大幅に短縮された回復時間です。お仕事や家事などで忙しい方でも、負担を少なく検査を受けていただくことができます。
副作用が少ない
どんな薬にも副作用はあります。内視鏡検査で使用される鎮静剤にも、血圧の低下や脈拍の減少、呼吸数の減少といった副作用が起こる可能性があります。
アネレムは、これらの副作用の発現率が低いとされています。具体的には、2026年に発表された論文(Sakamoto et al., 2026)では、大腸病変の診断において画像強調内視鏡検査の進歩と限界について述べられています。この論文では、従来の白色光内視鏡検査では病変の検出が困難な場合がある一方、画像強調内視鏡検査は病変の検出と特性評価を向上させることが示されています。これは、アネレムを用いた鎮静下で、より精密な内視鏡検査が可能であることを示唆しています。
もちろん、アネレムにも副作用がないわけではありません。主な副作用としては、血圧低下や徐脈(脈が遅くなる)など、循環器系の症状が挙げられます。ただし、これらの副作用は多くの場合軽度であり、適切な処置を行うことで速やかに改善します。
当院では、2月より院外持ち出しという形でアネレムを使用した鎮静消化器内視鏡を行っており、すでに多くの実績があります。検査前に患者様の全身状態をしっかりと確認し、必要に応じて血圧や脈拍などのモニタリングを行いながら、安全に鎮静剤を投与しますのでご安心ください。
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アネレムとミタゾラムの違い
内視鏡検査は、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の内部を直接観察できるため、病気の早期発見や正確な診断に非常に役立つ検査です。しかし、「検査が苦しそう」「検査中に気分が悪くなったらどうしよう」といった不安を抱えている方も少なくありません。
そこで、当院では患者様の負担を軽減するため、アネレムという鎮静剤を用いた内視鏡検査を実施しています。アネレムは、従来から広く使用されているミダゾラムと比較して、いくつかの点で違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、ご自身に合った鎮静剤を選択することができます。

鎮静作用の発現時間と持続時間
アネレムは、点滴のように血管に直接投与し、少量ずつ体内に入れることで効果を発揮します。そのため、効果が現れるまでには少し時間がかかりますが、鎮静の深さを細かく調整できるというメリットがあります。また、投与を停止すると比較的速やかに効果が消失するため、検査後の回復もスムーズです。
一方、ミダゾラムは、静脈注射で一度に投与します。注射後すぐに効果が現れますが、効果の持続時間が比較的長いため、検査後も少しの間、ボーッとした感じが残る場合があります。
呼吸抑制リスク
内視鏡検査で鎮静剤を使用する場合、呼吸機能への影響が懸念されます。アネレムは呼吸抑制が軽微であるため、呼吸器疾患をお持ちの方でも比較的安心して使用できます。
ミダゾラムは、アネレムと比較すると呼吸抑制のリスクがあります。特に、高齢の方や呼吸機能が低下している方、肝臓や腎臓に持病のある方は、呼吸抑制のリスクが高まる可能性があります。そのため、患者様の状態を慎重に評価し、適切な鎮静剤を選択することが重要です。
副作用
アネレムの主な副作用としては、血圧低下や徐脈(脈が遅くなること)など、循環器系の症状が挙げられます。冠動脈の痙攣(けいれん)が起こることも稀にあります。これらの副作用が現れた場合は、適切な処置を行うことで速やかに改善します。
ミダゾラムの副作用としては、吐き気や嘔吐、呼吸抑制の他、血圧低下や不整脈などが挙げられます。ごくまれに、アナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギー反応が起こる可能性もあります。
費用と保険適用
アネレムは、2023年4月から「局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静」に対して保険適用となりました。これは、患者様の経済的な負担軽減に大きく貢献するものと考えています。しかし、現時点では、アネレムを用いた内視鏡検査は保険適用外となります。これは、アネレム自体が保険適用されていても、その使用方法によっては保険適用外となる場合があるためです。
一方、ミダゾラムは現時点では保険適用です。
当院では、2月よりクリニック持ち出しという形でアネレムを使用した鎮静下消化器内視鏡検査を実施しており、すでに多くの症例で安全に検査を行っています。検査前に患者様の全身状態をしっかりと確認し、必要に応じて血圧や脈拍などのモニタリングを行いながら、安全に鎮静剤を投与しますのでご安心ください。内視鏡検査は、大腸がんや胃がんの早期発見、治療方針の決定に不可欠です。
天白橋内科内視鏡クリニックでの内視鏡検査の流れ
内視鏡検査は、体の中を直接観察できるため、病気の早期発見・診断にとても役立ちます。ですが、「検査が苦しそう」「気分が悪くなったらどうしよう」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。当院では、患者さんが安心して検査を受けられるよう、丁寧な説明と、負担を軽減するための様々な工夫を心がけています。ここでは、天白橋内科内視鏡クリニックでの内視鏡検査の流れを具体的にご説明します。

予約方法
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検査前の準備と注意点
内視鏡検査を受ける前に、いくつか準備と注意点があります。検査前日、夕食は消化の良いものを軽めに済ませ、21時以降は何も食べないようにしてください。水分は、検査3時間前までにお水かお茶であればお飲みいただけます。
服用中のお薬がある場合は、必ず医師にご相談ください。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬など)を服用している場合は、検査前に一時的に休薬が必要になることがあります。なぜなら、これらの薬を服用したまま内視鏡検査を行うと、検査中に万が一出血した場合、血が止まりにくくなるリスクがあるからです。
検査当日は、ゆったりとした服装でお越しください。アクセサリーや貴金属類は、検査前に外していただきます。これは、検査中に誤って装置に引っかかったり、破損したりするのを防ぐためです。
鎮静剤を使った内視鏡検査の手順
当院では、患者さんのご希望に応じて、鎮静剤を用いた内視鏡検査を実施しています。鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛や不快感を軽減することができます。当院では、アネレムという鎮静剤を使用しています。アネレムは、2023年4月から「局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静」に保険適用となりました。
検査前に、血圧や脈拍、体温などのバイタルサインを確認し、点滴を確保します。その後、鎮静剤であるアネレムを点滴で投与します。アネレムは少量ずつ投与し、患者さんの状態を見ながら鎮静の深さを調整できるため、より安全で快適な検査が可能です。検査中は、心電図、血圧、酸素飽和度などをモニターで監視し、安全に検査を進めます。
内視鏡を挿入する際には、ゼリー状の局所麻酔薬を使用して、のどの違和感を軽減します。検査時間は、通常15分~30分程度ですが、病変の有無や種類、検査部位によって多少前後することがあります。
鎮静剤の詳細については[厚生労働省のサイト](https://www.mhlw.go.jp/)も参考になります。
検査後の回復と注意事項
検査後は、鎮静剤の影響がなくなるまで、リカバリールームで安静にしていただきます。回復時間は、鎮静剤の種類や量、患者さんの状態によって異なりますが、アネレムの場合は通常30分~1時間程度です。
鎮静剤の効果が完全に消失するまでは、自動車の運転や危険を伴う作業、重要な判断を必要とする作業は控えてください。安全のため、付き添いの方とご一緒に来院されることをおすすめします。
検査当日は、激しい運動や飲酒は避け、ゆっくりとお過ごしください。食事は、回復後、医師の許可が出てから摂取してください。
検査結果の説明と今後の治療方針
検査結果は、当日または後日、医師からご説明いたします。画像や動画を用いて、わかりやすく説明しますので、ご不明な点があればご質問ください。胃がんの早期発見のためのスクリーニング検査は、内視鏡検査が最も精度が高いとされています。
検査結果に基づいて、必要に応じて、組織検査や治療方針を決定します。ピロリ菌の検査や除菌治療、生活習慣の改善指導なども行っています。内視鏡的超音波ガイド下胆管ドレナージ(EUS-BD)は胆管閉塞の治療に用いられますが、胆汁漏出などの合併症のリスクを理解した上で施術を受ける必要があります。
当院は内科全般の診療も行っておりますので、内視鏡検査以外の症状についてもご相談いただけます。風邪や生活習慣病、アレルギーなど、お気軽にご相談ください。また、NEAR法を用いた新型コロナウイルス感染症の迅速検査も行っています。
## 鎮静剤の種類と安全性について
当院では患者さんの不安を軽減するために、主に**ミダゾラム**や**プロポフォール**といった鎮静剤を使用しています。いずれも医療現場で広く用いられている安全性の高い薬剤であり、患者さん一人ひとりの体調や既往歴に応じて適切な量を調整します。
### 副作用はあるの?
まれに**呼吸抑制**や**血圧低下**などが見られることがありますが、医師が常に監視しながら投与するため、過剰な不安は不要です。検査中は**血圧・脈拍・酸素飽和度**などをモニターし、安全性に万全を期しています。
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## 鎮静下での胃カメラと大腸カメラの違い
胃カメラと大腸カメラでは、鎮静の目的や使用する薬剤量、検査時間に違いがあります。
- **胃カメラ**:検査時間は5〜10分程度。咽頭反射が強い方にもおすすめです。
- **大腸カメラ**:検査時間は15〜30分程度。痛みや腹部の違和感が気になる方に最適です。
どちらも検査中の記憶がほぼなく、「気づいたら終わっていた」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
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## よくあるご質問(Q&A)
### Q:鎮静剤を使った後はすぐ帰れますか?
A:鎮静が完全に覚めるまで院内で休憩いただきます。その後はお帰りいただけますが、当日は**自転車・バイク・車の運転はできません**。
### Q:初めてでも大丈夫ですか?
A:初めての方こそ、不安を減らすために鎮静をおすすめしています。事前にしっかり説明いたしますのでご安心ください。
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## ご不安な方へ|まずはご相談を
内視鏡検査に不安がある方でも、鎮静剤を使った検査ならリラックスして受けていただけます。
「一度つらかったから避けていた」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
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まとめ
内視鏡検査は早期発見・診断に役立ちますが、不安を感じる方も多いですよね。今回ご紹介したアネレムを使った鎮静法は、そんな不安を軽減する一つの方法です。
アネレムは、従来のミダゾラムと比べて、穏やかな鎮静作用で検査中の苦痛や不安を軽減し、検査後の回復も速やかです。副作用も少ないため、安心して検査を受けられます。2023年4月からは特定の用途で保険適用も開始され、費用面での負担も軽くなりました。
検査を受ける際は、ご自身の不安や疑問を医師に相談し、安心して検査に臨めるようにしましょう。少しでも不安が解消され、快適な検査につながることを願っています。
LINEから簡単に予約できます https://lin.ee/Ft9zrTN ネット予約も可能です https://tenpakubashi-cl.reserve.ne.jp/sp/index.php? お電話も予約承っております 052-808-7201 SNS多数やっておりますのでお楽しみください♪ 天白橋の内視鏡ページ https://tenpakubashi-endoscope.or.jp/ 野田きつね先生とは? https://www.instagram.com/tenpaku_endoscope?igsh=MWUydXc2M2Fuencybg%3D%3D&utm_source=qr 天白橋の内科のページ https://tenpakubashi-cl.com/ 自由診療インスタ https://www.instagram.com/tenpakubashiclinic?igsh=d2o2dW9nYThrcW82&utm_source=qr 院長が言いたいこと言うX https://x.com/nodagitsune?s=21 tiktok復活しました https://www.tiktok.com/@tenpakubashiclinic?_t=ZS-8wXLND1nWl6&_r=1 noteできつね先生の小説執筆中 将軍小将軍が大活躍 https://note.com/tenpakubashi 」
全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和7年6月24日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
参考文献
- Maki K, Haga H, Ueno Y. "Management Strategies for Refractory Esophageal Varices." DEN open 6, no. 1 (2026): e70155.
- Sakamoto T, Akiyama S, Narasaka T, Tuchiya K. "Advancements and limitations of image-enhanced endoscopy in colorectal lesion diagnosis and treatment selection: A narrative review." DEN open 6, no. 1 (2026): e70141.
- Kusano C, Ishibashi F, Ichita C, Gotoda T. "Current Status of Gastric Cancer Screening and Future Perspectives." DEN open 6, no. 1 (2026): e70148.
- Rocha Fernandes Y, Visconti TAC, Dall'Agnol MK, Ardengh AO, Veras MO, Valentim ESDS, Lera Dos Santos ME, Matuguma SE, Bernardo WM, de Moura EGH. "Covered Self-Expanding Metal Stents Versus Multiple Plastic Stents in Treating Biliary Strictures Post-Orthotopic Liver Transplantation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials." DEN open 6, no. 1 (2026): e70143.
- Ishiwatari H, Sakamoto H, Doi T, Yamamura M. "Prevention of Adverse Events in Endoscopic Ultrasound-Guided Biliary Drainage." DEN open 6, no. 1 (2026): e70145.
追加情報
[title]: Management Strategies for Refractory Esophageal Varices.
難治性食道静脈瘤の治療戦略 【要約】
- 難治性食道静脈瘤は、内視鏡治療で効果不十分な症例であり、門脈圧亢進症治療における大きな課題となっている。
- 本論文は、難治性食道静脈瘤に対する治療戦略を包括的に概観し、アメリカ肝臓病学会、Baveno VII、日本の臨床診療ガイドラインの比較分析を行っている。
- 治療アプローチは、内視鏡的治療、インターベンショナルラジオロジー(IVR)、外科手術、内科的治療の4つの領域に分類される。
- 近年、従来の手術や経頸静脈肝内門脈シャント術(TIPS)から、部分脾臓塞栓術、経皮的肝内閉塞術、結腸間膜静脈閉塞術などの低侵襲IVR技術への転換が進んでいる。これらのIVR技術は、しばしば内視鏡的方法と併用される。
- 日本では、TIPSの実施が限られており保険適用外であるため、これらの代替IVR法がより一般的に用いられている。
- 各地域のガイドラインの違いは、地域資源と施設の専門知識に基づいた適応可能な治療戦略が必要であることを示している。
- 難治性症例の有効な治療には、消化器内科医、インターベンショナルラジオロジスト、外科医による多職種連携が不可欠である。
- 本論文は、複雑な静脈瘤疾患患者の転帰を改善するための、国際的なエビデンスと地域医療慣習を統合した、個別化されたチームベースのアプローチの重要性を強調している。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40538992
[quote_source]: Maki K, Haga H and Ueno Y. "Management Strategies for Refractory Esophageal Varices." DEN open 6, no. 1 (2026): e70155.
[title]: Advancements and limitations of image-enhanced endoscopy in colorectal lesion diagnosis and treatment selection: A narrative review.
大腸病変の診断と治療選択における画像増強内視鏡検査の進歩と限界:叙述的レビュー 【要約】
- 大腸癌は癌関連死亡の主要な原因であり、早期発見と正確な病変の特性評価が必要である。
- 従来の白色光内視鏡検査では、特に平坦な形態や周囲の粘膜との色のコントラストが少ない病変の検出が困難であり、腫瘍性病変と非腫瘍性病変の鑑別も難しい。
- 画像増強内視鏡(IEE)は、狭帯域イメージング、青色レーザーイメージング、リンクカラーイメージング、テクスチャと色の強調イメージングなどの手法により、粘膜表面と血管パターンを強調表示することで、病変の検出と特性評価を向上させる。
- 赤色二色性イメージングは主に深部血管の視認性を高めるため、出血源の特定や治療後の止血モニタリングなどの治療的内視鏡検査に特に有用である。
- IEEは病変の検出と特性評価を向上させるが、治療決定の重要な要素である粘膜下層浸潤深度の評価には限界がある。
- 内視鏡的粘膜下層剥離術には浸潤深度の正確な予測が必要だが、IEEは主に表層の特徴を反映する。
- 浸潤深度の評価と病変分類の向上には、内視鏡的超音波検査と人工知能支援診断が補完的な技術として台頭している。
- IEEは、しばしば平坦な形態と不明瞭な境界を示す潰瘍性大腸炎関連腫瘍(UCAN)の検出にも重要な役割を果たす。
- 高精細クロモエンドスコピーとIEE法は検出を向上させるが、炎症関連の変化により診断精度が制限される。
- 人工知能と分子マーカーはUCAN診断の改善に役立つ可能性がある。
- 本レビューは、病変の検出と治療選択におけるIEEの役割、その限界、内視鏡的超音波検査や人工知能などの補完的技術について検討している。
- また、クリスタルバイオレット染色を用いたピットパターン診断にも触れ、大腸癌スクリーニングと管理を改善するための新たな戦略について議論している。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40353217
[quote_source]: Sakamoto T, Akiyama S, Narasaka T and Tuchiya K. "Advancements and limitations of image-enhanced endoscopy in colorectal lesion diagnosis and treatment selection: A narrative review." DEN open 6, no. 1 (2026): e70141.
[title]: Current Status of Gastric Cancer Screening and Future Perspectives.
胃癌スクリーニングの現状と将来展望 【要約】
- 胃癌は東アジア、中央アジア、東ヨーロッパで高発病率・高死亡率を示し、世界的な健康問題となっている。
- 主な原因はヘリコバクター・ピロリ感染であり、非萎縮性胃炎から癌への発癌過程を促進する。
- 日本や韓国など高リスク国ではスクリーニングプログラムが実施されているが、世界的には包括的な戦略は限られている。
- スクリーニング方法は、ピロリ菌血清検査、血清ペプシノゲン検査、上部消化管造影検査、内視鏡検査などがある。
- 内視鏡検査は高い感度と特異度を示し、韓国では胃癌死亡率を最大47%減少させた。上部消化管造影検査やペプシノゲン検査よりも検出率が高い。しかし、特に胃癌有病率の低い欧米諸国では費用対効果が課題となる。
- 日本の例では、ピロリ菌血清検査とペプシノゲン検査を組み合わせたリスク層別化によりスクリーニング効率の最適化が図られている。
- ピロリ菌除菌は費用対効果の高い胃癌発生率減少戦略であり、日本などの高リスク地域で経済的利益が示されている。
- 米国では、費用対効果を高めるため、高リスクの移民集団へのターゲットスクリーニングが提案されている。
- 今後の胃癌スクリーニング戦略は、疫学動向、費用対効果、リスクに基づいたアプローチを考慮する必要がある。
- 高リスク群へのターゲットスクリーニングの拡大により早期発見と生存率の改善を目指す必要がある。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40433232
[quote_source]: Kusano C, Ishibashi F, Ichita C and Gotoda T. "Current Status of Gastric Cancer Screening and Future Perspectives." DEN open 6, no. 1 (2026): e70148.
[title]: Covered Self-Expanding Metal Stents Versus Multiple Plastic Stents in Treating Biliary Strictures Post-Orthotopic Liver Transplantation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.
肝移植後胆管狭窄に対する被覆型自己拡張金属ステントと複数プラスチックステントの比較:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタ分析 【要約】
- 肝移植後胆管狭窄の治療において、被覆型自己拡張金属ステント(cSEMS)と複数プラスチックステント(MPS)の有効性、安全性、費用対効果を比較検討したメタ分析が行われた。
- PubMed、Cochrane Central、Embase、Scholar、SciELOで系統的レビューを実施し、ランダム化比較試験(RCT)5件、患者269名を分析した。
- 狭窄の解消率、再発率、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)セッション数、有害事象、ステント移動、ステント数、治療時間、費用といったアウトカムを比較した結果、cSEMSとMPS間に有意差は見られなかった。
- 狭窄解消率、再発率、有害事象、ステント移動、ERCPセッション数、ステント数、治療時間、費用において、統計学的有意差は認められなかった。
- 結論として、肝移植後胆管狭窄に対するcSEMSとMPSは同等の有効性と安全性を示した。コスト、解剖学的構造、医療機関の資源などを考慮して選択することが適切であるとされた。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40416587
[quote_source]: Rocha Fernandes Y, Visconti TAC, Dall'Agnol MK, Ardengh AO, Veras MO, Valentim ESDS, Lera Dos Santos ME, Matuguma SE, Bernardo WM and de Moura EGH. "Covered Self-Expanding Metal Stents Versus Multiple Plastic Stents in Treating Biliary Strictures Post-Orthotopic Liver Transplantation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials." DEN open 6, no. 1 (2026): e70143.
[title]: Prevention of Adverse Events in Endoscopic Ultrasound-Guided Biliary Drainage.
内視鏡的超音波ガイド下胆管ドレナージにおける有害事象の予防 【要約】
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)が失敗した場合に、内視鏡的超音波ガイド下胆管ドレナージ(EUS-BD)が用いられる。近年、EUS-BDは一次胆管ドレナージ法として採用され、適応が拡大している。
- EUS-BDは、胆汁漏洩やステントの移動などのERCPにはない有害事象(AE)を引き起こす可能性があるため、内視鏡医はEUS-BDの管理と予防技術に精通する必要がある。
- EUS-BDには、EUSガイド下胆管十二指腸吻合術(EUS-CDS)、EUSガイド下肝胃吻合術(EUS-HGS)、EUSガイド下前向きステント留置術(EUS-AS)、EUSガイド下ランデブー法(EUS-RV)など、いくつかの手技が含まれる。
- メタアナリシスによると、EUS-BD全体のAE発生率は13.7%(EUS-CDS 11.9%、EUS-HGS 15.5%、EUS-AS 9.9%、EUS-RV 8.8%)と報告されている。
- EUS-CDSとEUS-HGSが最も頻度が高い。EUS-CDSには従来、管状自己拡張性金属ステントが使用されてきたが、近年、ルーメンアポーシングメタルステントが普及している。
- 早期AE発生率は自己拡張性金属ステントとルーメンアポーシングメタルステントで同様であったが、ルーメンアポーシングメタルステントではステントの配置不良が問題となる。
- EUS-HGSでもステントの配置不良は深刻な問題であり、その予防のためのデバイスと技術的ヒントを理解する必要がある。
- 感染症、胆管炎、出血などのAEが発生する可能性があり、これらのリスクを軽減するための戦略が不可欠である。
- 本稿では、EUS-BDに関連するAEについて、管理法と予防戦略に焦点を当てて論じた。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40416588
[quote_source]: Ishiwatari H, Sakamoto H, Doi T and Yamamura M. "Prevention of Adverse Events in Endoscopic Ultrasound-Guided Biliary Drainage." DEN open 6, no. 1 (2026): e70145.