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天白橋の内視鏡ブログ

下痢の原因は?どんな症状なら病院に行く?お腹の弱い専門医がお答えします。

大腸内視鏡検査

みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。

今回も専門医がお答えシリーズ大腸編「下痢について」になります。


と、その前に・・・

名古屋市天白区の内科、消化器内科、消化器内視鏡、胃カメラ、大腸カメラ、コロナの検査、コロナワクチン、日帰り大腸ポリープ切除といえば天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
http://tenpakubashi-cl.com/staff/


思いつきでオリコン1位、ミリオン獲得のミュージシャンの方にクリニックのテーマ曲を作っていただきました。
暇つぶしによろしければお聞きください。
→Trust〜水明〜(クリック)

院長からのいきなりの告白!

院長めっちゃお腹弱いんです。すぐ下痢します。下痢する人の気持ちわかります。それだけは知っておいてください。


まず最初に、こんな下痢はできるだけ早く医療機関に相談しましょう

・嘔吐、腹痛、発熱を伴う下痢

・下痢が何回も続いて出る

・食事や水分が取れていない、ぐったりしていて元気がない

・下痢が頻繁に続いている

・消化できていないものが出てきたり、色がいつもと違う

・血が混じっている

・他の病気を持っていて内服している薬がある

下痢というと、食あたりなどでお腹を下すというイメージがあるかと思います。内科にかかると腸炎やお腹の風邪という表現をされることもあるかと思います。しかし下痢にも様々な種類があり、それぞれに原因があるため、繰り返す下痢やこれまで経験したことのない違和感などがある場合には早めに医療機関にかかる必要があります。



 下痢の原因

下痢の原因には大きく3種類があります。

 1つ目は大腸をはじめとする腸の動きが活発になることによる下痢です。医学の世界では「亢進性下痢」と呼んだりします。本来大腸を便が通るときには時間をかけて水分を吸収していきますが、大腸の動きが活発になりすぎて水分を吸収する間も無く、柔らかい便や下痢として排泄されてしまうことによります。原因としては食生活の乱れやお腹の冷え、副交感神経が異常に活発になることが挙げられます。また便秘に対して刺激性下剤と言われる種類の下剤を使った方で、急激に大腸の動きが活発になりすぎて亢進性の下痢が出てしまうことがあります。このタイプの下痢ではそこまで大きな問題になることはなく、一時的で出てしまえば治るというのが特徴です。しかしながら何日も繰り返すようであれば、そもそもこのタイプの下痢ではない可能性がありますので医療機関の受診をお勧めします。

 2つ目が食あたりに代表されるような、細菌感染やウイルス感染による下痢が挙げられます。カンピロバクターや黄色ブドウ球菌などの食中毒や、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染でも下痢をする場合があります。腸の粘膜に炎症があると、そこから腸管粘液の分泌が過剰になることで下痢になると考えられています。典型的な食あたりでは、吐き気や嘔吐、腹痛の後に、水のような下痢が何度も何度も出るような状態です。また、稀にアナフィラキシーなどアレルギーの反応のよってもこのタイプの下痢が出ることがあります。水のような便が何度も出続けるような状況であれば、そのうち脱水になることがあります。また腸管の粘液がなくなってしまうことによる体の電解質や酸塩基のバランスが崩れ、全身へ影響が出ることがあります。

早い段階で医療機関にかかり、採血や便の検査などで診断と点滴などの対応をしなければいけないことが多いです。また、食あたりではなくても、クロストリジウム・ディフィシル腸炎という細菌感染による下痢が特に医療に関連して注目されています。クロストリジウム・ディフィシルは健康な方でも大腸にいることがあり、異常に増えることがなければ、ほとんどの場合問題になることはありません。しかしながら、何らかの理由で抗菌薬(抗生物質)を飲んだり点滴した方で、その後に下痢に悩まされることがあり、検査をするとクロストリジウム・ディフィシルの毒素が検出されることがあります。これは抗菌薬の使用によって正常な腸内細菌叢が破壊されてしまい、普通の抗菌薬によって死滅することがないクロストリジウム・ディフィシルが異常に繁殖してしまい、影響を及ぼし始めるというメカニズムになります。そのため抗菌薬の使用は医師の判断のもと必須な場合に最低期間で使用する必要があります。また必要に応じて抗菌薬を使用するときには、抗菌薬に強く正常な細菌叢に近い整腸剤を同時に内服することがあります。風邪や膀胱炎のようだからといって安易に抗菌薬を使用するとこの腸炎に悩まされることがあり、要注意です。

 このタイプの下痢では、下痢を止めるような薬を飲むことによって本来排泄しなければならない細菌や毒素が体内に残り続けてしまうことがありますので、基本的に下痢を止めようとしてはいけません。そのため安易にドラッグストアで下痢止めのお薬を買うのではなく、きちんと医療機関に受診しましょう。

 3つ目が浸透圧や吸収不良による下痢です。

 原因の多くは、酸化マグネシウムという下剤などで便の浸透圧をあげることによっておこります。いわゆる浸透圧下剤だけでなく、一部の食品でも起こります。また何らかの原因で小腸での栄養吸収が悪くなってしまった結果、消化や吸収しきれずにそのまま下痢として出てきてしまうことがあります。もちろん浸透圧下剤によるものであれば、薬の調整でよくなることが多いですが、消化や吸収に関わるところで病気がおこっている場合は注意が必要です。このような下痢を引き起こす代表的な病気には、炎症性腸疾患(IBD)のなかでもクローン病、膵臓や胆嚢・胆管などから消化酵素の分泌が悪い状態での未消化便、アミロイドーシスなどの難病と、特殊な原因が多いですので、医療機関を受診して詳しい検査をする必要があります。特に若い方にはIBDの発症も増えてきており、しつこい下痢や便秘など便通の異常はIBDの症状かもしれません。早めに大腸カメラができる医療機関にかかることをお勧めいたします。

【大事なこと】

最近では胃カメラから洗腸剤を投入する、下剤を飲まない大腸カメラを売りにしているクリニックが散在しますが、当院は対応しておりません。理由として、いいブログを発見したのでご紹介させていただきます。

かくたに内視鏡消化器内科クリニック   角谷宏先生

 
危険!警告!不正!下剤を飲まない大腸内視鏡検査



 専門医から皆様へ

 このように一言で下痢といっても様々な種類や原因があり、怖いものも多いです。特に急激な腹痛や嘔吐、発熱伴うものや、便の性状がおかしい(色や形など)というような症状を伴う下痢や便秘はすぐに医療機関にご相談ください。

 当院ではスムーズな大腸カメラが施行できるように環境を整えております。また患者様の苦痛をとることや安全面に対して十分な配慮を行なっております。下痢や便秘でお悩みの方はまずご相談いただき、必要に応じた詳しい検査や、正しい薬の調整をしていくことで症状の改善や怖い病気の予防、早期発見をしていきましょう。

当院では日本消化器内視鏡学会専門医が患者様一人一人にあわせたタイミングでの検査および安全な治療を心がけて診療しております。これまで大腸カメラに抵抗のあった方々もぜひお気軽に相談してください。

全ては患者さんの「検査しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。



令和4年3月25日加筆修正 天白橋内科内視鏡クリニック 院長 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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