美味しい?大腸カメラの前日から飲む下剤 (モビレップ)の副作用などは? 専門医がお答えします。
みなさんお待たせしました。専門医がお答えシリーズです!
お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
今回は、「大腸カメラの前日に飲む下剤(モビレップ)」についてです。
と
名古屋市天白区の内科、消化器内科、消化器内視鏡、胃カメラ、大腸カメラ、コロナの検査、コロナワクチン、日帰り大腸ポリープ切除
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といえば天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。
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大腸カメラは検査時の痛みや違和感がイメージされやすいかと思いますが、
実は前処置である腸管洗浄液の内服にもつらさがあります。
これまで様々な前処置の薬が開発されており、当院ではモビプレップの積極的な使用をしており、
可能な限り患者さんの負担や不快感が少ない薬の選択を心がけております。
【最初に】
最近では胃カメラから洗腸剤を投入する、下剤を飲まない大腸カメラを売りにしているクリニックが散在しますが、
当院は対応しておりません。理由として、いいブログを発見したのでご紹介させていただきます。
かくたに内視鏡消化器内科クリニック 角谷宏先生
→危険!警告!不正!下剤を飲まない大腸内視鏡検査
大腸カメラと前処置
大腸は基本的に常に一定以上の便が貯留しておりますので、大腸カメラで腸の表面を観察する際には便をきれいに落とす必要があります。
そのため大腸カメラの前処置として大腸を洗浄するための液体のお薬を飲んでいただく必要があります。
当院では「モビプレップ」というお薬を採用しており、使用される際には詳しく説明させていただきますが、
約2〜3リットルの水分とともにこのモビプレップを数時間かけて飲んでいただきます。
下記に当院での使用の流れを記載させていただきますが、便の状況にあわせて飲む量を調整していきます。
モビプレップとそれ以外
モビプレップは比較的新しく大腸カメラの前処置のために開発されております。
特に便秘のない方には1リットル程度で十分な腸管洗浄ができることがおおく、他の前処置薬に比べても比較的少量できれいにすることができます。
モビプレップが発売されるまではニフレックというお薬を用いることが多かったですが、ニフレックだとモビプレップよりもやや多くの量を飲まなければなりませんでした。
ただし、ニフレックやその他の前処置薬もメリットがあります。
モビプレップが非常に使いやすい薬ではありますが、患者さんにあわせて適宜調整いたします。
モビプレップの副作用
これまでの腸管洗浄液と比べても、有効性や安全性が改善された薬剤ではありますが、どんな薬剤もそうであるように、
患者さんによって合う合わないや、何らかの副作用の可能性はあります。
そのため使用前に医師や看護師が患者さんにモビプレップを飲んでいただくのが適切かどうかを判断いたします。
特に腸が狭いことが原因で便秘症の方には、無理やり便を出すようなモビプレップが使えない場合があります。
また腎臓や心臓の機能や現在の内服薬の状況によっては内服を避けなければならない場合もございます。
経験豊かな医療スタッフが丁寧に問診や検査などを行い判断していきます。
それでもなお、稀に内服後に副作用を起こす可能性がありますので、急激な腹痛や体調変化などありましたらご遠慮なくお伝えください。
心配な方やご高齢の方には当院に朝来院頂き、トイレがたくさんある院内で内服していただくことが可能です。遠慮なくお申し出ください。
モビプレップと新型コロナワクチン(参考)
モビプレップに含まれるポリエチレングリコール(PEG)という成分が、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン(ファイザー社、モデルナ社)にも含まれることが知られております。
そのため、モビプレップやニフレック、マグコロールといった腸管洗浄液にアレルギーの既往がある方は、ワクチン接種に関しては特に慎重に判断しなければなりません。
当日は問診票と医師によりそれらのアレルギーの有無が聴取されますが、「大腸カメラの前処置薬でアナフィラキシーを起こした」となれば基本的にワクチンは禁忌となってしまいます。
もしアレルギーを疑う症状があった場合には、そのとき利用した医療機関などにあらかじめ問い合わせ、
「間違いなくアレルギーやアナフィラキシーの症状だったのか、それともアレルギー以外の症状であったのか」などを判断する必要があります。
「モビプレップでアレルギーを起こしたかもしれない」ということであれば、接種会場の医師が「接種可能」と判断することは不可能です。あらかじめできる限り事前に相談することをお勧めします。
当院でのモビプレップの使用について
モビプレップの服用時間
モビプレップの服用環境
大腸カメラを受けるまでの流れ
大腸カメラ終了後の注意点
当日丁寧に説明させていただきますが、大腸カメラを行った後に稀に腸に傷がつき出血したり、
穿孔(腸に穴があくこと)、吐き気などが起こってしまうことがあります。
どれだけ熟練した医師が行なっても数千件に1件程度は起こってしまうことですので、
大腸カメラの後に急激な腹痛や嘔吐、高熱などが出現した場合にはすぐ医療機関にご連絡ください。
また、モビプレップの副作用として腎臓や心臓にご病気がある方は、足のむくみや息切れなどが出現する場合がございますので、
その際もご遠慮なく連絡をください。
さらに細かい具体的な使用方法や注意事項などは当日お伝えさせていただきますので、質問などありましたらその時に遠慮なくお伝えください。
さらにさらに!!
当院でスタッフが大腸カメラの前処置を説明する際に使用する動画を特別に公開いたします↓
全ては患者さんの「検査しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和6年3月1日加筆修正 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
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