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天白橋の内視鏡ブログ

消化器内科の最大の敵 膵臓癌の早期発見早期治療とは?予防法なんである?

「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓。 そこに潜む膵臓がんは、初期症状が乏しく、まさに忍者のごとく私たちの体を蝕みます。 お待たせし過ぎたかもしれませんし、誰もお待ちではないかもしれません。
内視鏡といえば天白橋!天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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自覚症状が現れた時には既に進行しているケースが多く、早期発見が極めて重要となるのです。 実は、初期症状だと思って見過ごしていたものが、膵臓がんのサインかもしれません。 一体どんな症状に注意すべきか、そして、早期発見・早期治療のために私たちにできることは何か? この記事では、膵臓がんの予防法から最新の治療技術まで、詳しく解説していきます。

膵臓がんの初期症状を見逃さないために

「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓。それはまるで、忍者のように静かに、そして、あっという間に体を蝕む病気だからです。初期症状は、本当に分かりづらいものです。「疲れているだけ」「食べ過ぎかな?」「最近、歳のせいかしら?」そう思ってしまいがちな、日常的な症状が多いのが特徴です。

しかし、皆さんの大切な命を守るためには、膵臓がんが「忍者」から「目立つ派手な泥棒」に変わる前に見つけることが重要なのです。そのためにも、ご自身の体からのサインを見逃さないようにしましょう。

こんな症状に注意!

では、膵臓がんは、どんなサインを出すのでしょうか?代表的なものをご紹介しましょう。

症状 説明
黄疸 白目や皮膚が黄色くなる、尿が茶褐色になる 白目が黄色くなっていく様子を、卵の黄身の色がだんだん濃くなっていく様子に例えることができます。
お腹や背中の痛み みぞおちのあたりが鈍く痛む、背中側に痛みが広がる まるで胃のあたりを誰かにぎゅーっと掴まれているような痛み、あるいは、重たいリュックをずっと背負い続けているような痛みがあります。
食欲不振 食事が美味しく感じられない、以前は食べられた量が食べられなくなった これまで大好きだったハンバーグが、全く美味しく感じられず、一口食べたらもうお腹いっぱいになってしまう、という状態です。
体重減少 特にダイエットをしていないのに体重が減っていく 2~3ヶ月で、体重が5kg以上減ってしまうこともあります。
糖尿病の悪化 これまでコントロールできていた血糖値が、急に上がってしまう 今まで通りの食事や運動をしていても、血糖値が乱高下してしまうイメージです。

これらの症状は、必ずしも膵臓がんだけが原因ではありません。風邪や胃腸炎など、他の病気でも起こりえます。しかし、もしこれらの症状が続くようであれば、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。

早期発見が鍵となる理由

膵臓がんは、他の臓器への転移が早い、非常に進行の速いがんです。人工知能(AI)を用いた画像診断技術の進化により、近年では膵臓がんの早期発見の精度が向上しつつあります。しかし、それでも進行してから発見される場合が多く、治療が難しい病気であることに変わりはありません。

早期発見できれば、手術でがんを取り除ける可能性が高まり、完治を目指すことも期待できます。

一方で、進行してから発見された場合、手術が難しく、抗がん剤治療や放射線治療などの選択になることが多いです。治療による身体への負担も大きくなり、生活の質(QOL)の維持も難しくなる可能性があります。

天白橋内科内視鏡クリニックでの検査

当クリニックでは、膵臓がんの早期発見・早期治療に力を入れており、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を心がけています。

膵臓がんの検査では、血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、内視鏡検査など、様々な方法があります。これらの検査結果に基づいて、膵臓がんの疑いが高い場合は、さらに詳しい検査や治療が必要となる場合があります。

名古屋市天白区にある当クリニックは、名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」より徒歩2分とアクセスも良好です。提携駐車場も完備しておりますので、お車でも安心してご来院いただけます。

膵臓がんの早期発見・早期治療は、患者様ご自身の意識と、適切な医療機関の選択にかかっています。少しでも気になることがあれば、お気軽に当クリニックまでご相談ください。

膵臓がんの早期治療法と最新技術

膵臓がんは早期発見が難しい病気として知られていますが、早期に発見し、適切な治療を行うことで、生存率を高めることができます。

「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓は、まるで忍者のようです。初期の段階では、自覚症状がほとんどありません。しかし、ひとたび症状が現れる頃には、病気がかなり進行している場合も少なくありません。

実際、私のクリニックにも、「少しお腹が重い感じがする」「最近、食欲がない」といった軽い症状で来院された方が、検査の結果、膵臓がんと診断されるケースがありました。

だからこそ、早期発見・早期治療が重要になるのです。

手術療法

膵臓がんの治療法として、最も効果が期待できるのが手術です。

がんが膵臓だけに留まっている場合は、手術でがんを取り除くことを目指します。

手術方法は、がんの大きさや場所、患者の状態によって異なりますが、大きく分けて「膵頭十二指腸切除術」と「膵体尾部切除術」の2種類があります。

  • 膵頭十二指腸切除術: 膵臓の頭の部分にできたがんに対して行われ、膵臓の頭部、十二指腸、胆嚢、胆管、場合によっては胃の一部を切除します。
  • 膵体尾部切除術: 膵臓の体や尾の部分にできたがんに対して行われ、膵臓の体尾部、脾臓を切除します。

手術は、まるで悪さをしている「忍者」を、体の外に取り出すようなイメージです。

もちろん、手術は身体への負担が大きいため、患者さんの年齢や体力なども考慮して、医師とじっくり相談しながら決めていくことが大切です。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を破壊する治療法です。

手術が難しい場合や、手術でがんを全て取り切れない場合に、がんを小さくしたり、進行を抑えたりする目的で行われます。

放射線療法には、体外から放射線を照射する「外部照射」と、放射性物質を入れた小さなカプセルを体内のがんに埋め込む「内部照射」があります。

放射線治療は、手術や化学療法と組み合わせて行われることもあります。

放射線は、目に見えない「小さな弾丸」のようなものです。がん細胞を狙い撃ちして、その増殖を抑えます。

化学療法

化学療法(抗がん剤治療)は、抗がん剤という薬を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、殺したりする治療法です。

手術ができない場合や、がんが転移している場合に行われます。また、手術の前後に化学療法を行うことで、手術の効果を高めたり、再発を予防したりすることもあります。

抗がん剤には様々な種類があり、患者さんの状態やがんの種類によって、最適な薬剤や投与方法が選択されます。

抗がん剤は、体の中を巡る「警察官」のようなものです。がん細胞を見つけ出して攻撃し、その増殖を抑えます。

最新の治療法

近年、人工知能(AI)は医療分野においても目覚ましい進歩を遂げており、膵臓がんの診断精度向上にも貢献しています。

AIを用いた画像診断技術は、CTやMRIなどの画像データから、がんの特徴を学習し、より正確にがんを検出することが期待されています。

この技術により、従来の方法では見つけるのが困難であった早期の膵臓がんを発見できる可能性が広がっています。

まるで、経験豊富な名探偵が、わずかな手がかりから犯人を探し出すように、AIは、膨大なデータの中から、がんの兆候を見つけることができるのです。

また、がんゲノム医療は、がん細胞の遺伝子を解析し、その遺伝子の特徴に合った薬を選ぶ治療法です。

膵臓がんでも効果が期待できる薬が見つかってきています。

その他にも、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬など、新しい治療法の開発も進められており、膵臓がんの治療成績の向上に期待が寄せられています。

免疫チェックポイント阻害剤は、私たちの体にもともと備わっている免疫の力を利用して、がん細胞を攻撃する薬です。

従来の治療法では、攻撃することが難しかったがん細胞にも効果が期待できるため、新たな治療の選択肢として注目されています。

膵臓がんを予防するための生活習慣

膵臓がんは、早期発見が難しく、進行すると治療が難しい病気です。しかし、日頃から生活習慣に気を付けることで、膵臓がんのリスクを減らすことができるかもしれません。

私のクリニックにも、健康診断で「血糖値が高い」と指摘され、生活習慣を見直した結果、初期の膵臓がんが見つかった方がいらっしゃいました。早期発見のおかげで、手術でがんを完全に取り除くことができ、現在も元気に過ごされています。

膵臓がんは、まるで静かに忍び寄る泥棒のような病気です。早期発見のためには、日頃からの予防意識と、健康的なライフスタイルを維持することが重要です。

食生活の改善

毎日の食事は、私たちの体を作るための材料です。バランスの取れた食事を心がけることは、膵臓がんの予防だけでなく、健康な毎日を送る上でも非常に大切です。

  • 野菜や果物を積極的に食べよう!

野菜や果物は、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、私たちの体に必要な栄養素の宝庫です。まるで、体のサビを取る掃除屋さんのような役割を果たし、細胞の老化を防ぎ、免疫力を高める効果が期待できます。

例えば、ブロッコリーやキャベツなどの緑黄色野菜には、β-カロテンやビタミンCが豊富に含まれています。これらの栄養素は、活性酸素による細胞へのダメージを抑制し、がんのリスクを低減すると考えられています。

また、トマトに含まれるリコピンや、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなども、抗酸化作用が高いことで知られています。これらの成分は、細胞の酸化ストレスを軽減し、がん細胞の増殖を抑える効果も期待されています。

  • 脂肪分の多い食事は控えめに!

脂肪分の多い食事は、膵臓に負担をかけ、がんのリスクを高める可能性があります。

例えば、揚げ物や脂身の多い肉などを頻繁に食べると、膵臓が疲れてしまい、正常な細胞ががん細胞に変化するリスクが高まると考えられています。

週に1〜2回程度に抑え、魚や豆腐などの良質なタンパク質を摂るように心がけましょう。魚に含まれるDHAやEPAといった不飽和脂肪酸は、膵臓の炎症を抑え、がんを予防する効果も期待できます。

  • バランスの取れた食事を心がけよう!

毎食、主食・主菜・副菜を揃えて、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

例えば、ご飯やパンなどの主食は、私たちの体に必要なエネルギー源となります。魚や肉などの主菜は、筋肉や骨を作るために必要なタンパク質を豊富に含んでいます。そして、野菜やきのこなどの副菜は、ビタミンやミネラルを補給するのに役立ちます。

これらの栄養素をバランス良く摂取することで、体の免疫システムを正常に保ち、がん細胞の発生や増殖を抑える効果が期待できます。

禁煙のススメ

タバコは、膵臓がんを含む、様々ながんのリスクを高めることが知られています。タバコに含まれる有害物質は、細胞のDNAを傷つけ、がんの発症を促進する可能性があります。

  • 禁煙は膵臓がんのリスクを減らす!

禁煙は、膵臓がんのリスクを減らすための、最も効果的な方法の一つです。タバコをやめることで、体内の有害物質が減少し、細胞の修復機能が回復していきます。

禁煙は、早ければ早いほど効果が期待できます。禁煙を始めてから数年で、膵臓がんのリスクは非喫煙者のレベルに近づくという研究結果もあります。

  • 受動喫煙にも注意しよう!

タバコを吸わない人でも、タバコの煙を吸い込むことで、健康への悪影響があります。周りの人のためにも、禁煙にご協力ください。

受動喫煙は、喫煙者本人だけでなく、周囲の人にも健康被害をもたらします。特に、子どもや妊婦への影響は深刻です。

定期的な検査の重要性

膵臓がんは、早期発見が難しい病気ですが、早期発見できれば、治療の効果が期待できます。健康な状態でも、定期的に検査を受けるようにしましょう。

  • 健康診断や人間ドックを活用しよう!

健康診断や人間ドックでは、血液検査や画像検査など、様々な検査を受けることができます。これらの検査を通して、自覚症状がない段階で、膵臓がんを発見できる可能性があります。

例えば、血液検査では、膵臓がんの腫瘍マーカーと呼ばれる物質が測定できます。また、腹部超音波検査やCT検査では、膵臓の形や大きさなどを詳しく調べることができます。

  • 気になる症状があれば、早めに医療機関へ!

お腹や背中の痛み、体重減少、黄疸などの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

これらの症状は、必ずしも膵臓がんだけが原因ではありません。しかし、これらの症状が続く場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。

  • 人工知能(AI)を使った診断技術の研究が進んでいます!

近年、人工知能(AI)を使った画像診断技術の研究が進んでおり、膵臓がんの早期発見に役立つことが期待されています。AIは、膨大な量の画像データを学習し、がんの特徴を捉えることができます。

例えば、CT画像から膵臓がんを高い精度で検出するAIが開発されています。この技術により、従来の方法では見つけるのが困難であった早期の膵臓がんを発見できる可能性が広がっています。

早期発見・早期治療は、膵臓がんだけでなく、多くの病気で重要です。日頃から自身の体と向き合い、健康に気を配るようにしましょう。

まとめ

膵臓がんは初期症状が分かりにくいため、早期発見が極めて重要です。 早期発見できれば手術で完治を目指すことも可能ですが、進行すると治療が困難になります。 日頃から食生活や禁煙など生活習慣に気を配り、定期的な検査で早期発見を心がけましょう。

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。




令和6年9月6日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
・がん治療認定医

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参考文献

  • Jan Z, El Assadi F, Abd-Alrazaq A, Jithesh PV. "Artificial Intelligence for the Prediction and Early Diagnosis of Pancreatic Cancer: Scoping Review." Journal of medical Internet research 25, no. (2023): e44248.

追加情報

膵癌の予測と早期診断における人工知能:スコープレビュー

【要約】

  • 膵癌は世界で12番目によく見られるが、全体の生存率は4.9%に留まる。
  • 人工知能(AI)は、膵癌のより良い診断に向けた高度なモデルやアルゴリズムを提供している。
  • この研究は、文献に報告された膵癌の予測と早期診断に使用されたAIモデルを探索することを目的としている。
  • 30の研究がスコープレビューに含まれており、そのうち14つは膵癌の診断にAI技術が使用されていた(47%)。
  • まだ続く研究ですが、AIは医療の臨床的な意思決定を支援するために必要なデータを提供するために重要な役割を果たすことが期待される。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37000507

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[quote_source]: Jan Z, El Assadi F, Abd-Alrazaq A and Jithesh PV. "Artificial Intelligence for the Prediction and Early Diagnosis of Pancreatic Cancer: Scoping Review." Journal of medical Internet research 25, no. (2023): e44248.