慢性的な便秘にお困りの方へ
便が何日も出ない…
以下の症状ありませんか?
- 便に血が混ざっている
- 便が出にくいため、
市販の便秘薬を服用している - 便秘薬を増やさないと便が出ない
- 便が硬いため、排便時にお尻が痛む
- 排便にかかる時間が長い
- 3日以上排便がない
- 腹部の張りが続いている
- 排便後に便が残っている感覚がある
- 排便時に相当いきむ必要がある
など
便秘とは
便秘とは、便が大腸に貯留することにより、お腹が張る感じ、排便時の腹痛、残便感等が見られる状態など、便が大腸に貯留することによる腹部症状全般を指しますが、毎日排便がある、便が硬くないということで便秘ではないと思い込んでいる方々がおられることです。
腹部のレントゲンを撮って便が溜まっていることを実際提示しても尚、ご自身が便秘だと信じられない方もおられるほどです。
- 便秘は消化管の動きが遅くなり、
便が硬くなることで起こります。 - 通常、週に3回未満の排便や排便時の困難を便秘と定義します。
便秘の原因
便秘の原因の一つとして、もちろん念頭に置かないといけないのが大腸がんです。大腸がんが進行して、大腸が狭くなったことによる便秘は、おいおい腸閉塞の原因となり致命的になり得ることもありますので、最近大腸カメラをやっていない方には大腸カメラをお勧めします。
研究によると、便秘は血圧に影響を及ぼす可能性があります。排便の困難さは、腹圧を高め、これが血圧を上昇させる原因となることがあります。さらに、便秘が引き起こすストレスや不快感も、高血圧のリスクを増加させる要因となります。
日常生活のおける原因
- 食生活の乱れ(食物繊維の不足など)
- 運動不足
- ストレスや睡眠不足
- 特定の薬剤の副作用
- 水分摂取量の不足
便秘対策について
日常生活での対策
- 規則正しい食生活を心がける
- 十分な水分を摂取する
- 適度な運動を継続する
- ストレスを管理し、質の良い睡眠を取る
食事での対策
- 食物繊維が豊富な食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に摂取する
- 発酵食品や乳製品で腸内環境を整える
- 加工食品や高脂肪食の摂取を控える
運動での対策
- 定期的な有酸素運動
(ウォーキング、ジョギング、水泳など) - 腹筋や腰回りのストレッチや運動
医療的な対応
- 便秘が続く場合は医師の診断を受けることが重要
- 利用可能な便秘薬について医師と相談
- 場合によっては食生活やライフスタイルの改善をサポートする栄養士の助言を受ける
男性における便秘の原因
1. 食生活の問題
高脂肪、低繊維の食事や水分不足が一般的な原因です。
2. 運動不足
定期的な運動不足は便秘を引き起こすことがあります。
3. ストレスと生活習慣
ストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れも便秘を引き起こすことがあります。
4. 特定の薬剤
便秘を引き起こす副作用を持つ薬剤の使用、特に鎮痛剤や抗うつ薬など。
5. 消化器系の病気
大腸がん、炎症性腸疾患などの消化器系の問題も原因になり得ます。
女性における便秘の原因
これらの要因は、男女で共通する部分が多く、生活習慣や食生活の改善が便秘の予防や改善に重要です。しかし、女性特有のホルモンの変動は便秘の発生に特別な影響を与えることがあります。どちらの性別でも、便秘が持続する場合は医師の診断を受けることが重要です。
1. ホルモンの変動
生理周期や妊娠、更年期などに伴うホルモンバランスの変化が影響します。
2. 食生活の問題
高脂肪、低繊維の食事や水分不足は男性同様の一般的な原因です。
3. 運動不足
女性も定期的な運動不足が便秘を引き起こすことがあります。
4. ストレスと生活習慣
ストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れは女性においても便秘の原因となります。
5. 特定の薬剤
特に鉄分サプリメントや一部の鎮痛剤など、便秘の副作用を持つ薬剤の使用。
6. 妊娠
妊娠中はホルモンの影響や身体の圧迫により便秘を経験する女性が増えます。
便秘の主な種類
1. 機能性便秘
- 通常の機能性便秘
食生活の乱れ、運動不足、水分不足、ストレスなどが原因。 - 遅延型輸送便秘
大腸が便を運ぶ速度が遅い。神経的要因や筋肉の問題が考えられます。
2. 器質性便秘
- 身体的な病変や疾患が原因
腸の閉塞、腫瘍、糖尿病、甲状腺機能低下症などが関連します。
3. 薬剤性便秘
- 特定の薬剤の副作用による便秘
鎮痛剤、抗精神病薬などが原因で起こることがあります。
4. 心因性便秘
- ストレスや心理的な問題が原因
心理的ストレスが腸の動きを悪くします。
5. 出口型便秘(排便障害)
- 門周辺の筋肉の問題による排便
困難ペルビックフロア筋の機能異常などが原因になります。
便秘の危険な症状
便秘自体は一般的には危険ではないことが多いですが、いくつかの症状はより深刻な健康問題を示唆する可能性があります。
便秘に伴って以下のような症状が現れた場合は、医師の診察を受けることが重要です。
4. 持続的な吐き気や嘔吐
これは消化管の問題、特に腸の閉塞を示唆する可能性があります。
5. 熱感や発熱
感染症や腸の炎症を示唆する場合があります。
これらの症状は、便秘が単なる一時的な不調ではなく、より深刻な健康問題の兆候である可能性があることを示しています。特に症状が突然現れたり、継続したりする場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
便秘の診察・検査・治療の流れ(大腸カメラ)
Step1 診察
腹痛やご自身で便秘だと思われる方々には触診や腹部レントゲン撮影を行います。
診察の結果から、実際便がたまっているのかどうかを判断いたします。
Step2 お薬の処方
便が溜まっていると判断された方には、まずは便を柔らかくするお薬を処方します。
便を柔らかくするお薬も多種多様で、患者さんにいきなりマッチすることはあんまりありません。
当院では一般的な下剤から始めて、時間をかけて患者さんに合う下剤の種類、量を決めていきます。
Step3 検査(大腸カメラ検査)
大腸カメラは疾患の早期発見、治療にとても有効な検査です。
便秘の状態が続いている方については必要に応じて大腸カメラ検査をお勧めします。
当院では必ず内視鏡専門医が担当し、痛みを抑えるため最大限配慮した丁寧で素早い検査を行っています。