胃のもやもや、
長引いていませんか?
胃もたれの症状は、次のように言い表される場合があります。これらの症状がある場合は、当院にご相談ください。
- 胃が重い
- 胃がもたれる
- 胃がムカムカ・もやもやする
- 胃が満たされている感じがする
- 胃が張っている
- 胃が詰まった感じがする
- 胃が不快な感じがする
- 胃が痛い
- 胃の消化が遅い気がする
- 食べ物が胃に残っている感じがする
- 胃もたれが1週間以上治らない
など
胃もたれについて
胃もたれとは、食後に胃が重かったりムカムカしたりする状態です。暴飲暴食、お肉や脂質の多いものの食べ過ぎなどで起こる場合が多いです。また、インフルエンザや風邪のひき始めに生じる場合もあります。
暴飲暴食など、原因が明らかで速やかに治る胃もたれは経過観察で問題ありません。しかし、食事と無関係の胃もたれや、食事のたびに胃が重たくなる場合は、何らかの病気が原因かもしれません。速やかに診察を受けるのがお勧めです。
胃もたれのセルフチェック
胃もたれとは、胃が重い、ムカムカする、食べ物がずっと胃の中に滞留しているような気がするなどの状態です。これらの症状が日常的に続くと慣れてしまい、異常に気づきにくくなります。
ご自身の胃の状態を、以下の項目で確認してみましょう。
- コーヒーは空腹時でもブラックで飲む
- 朝ごはんを食べない日が多い
- いつも満腹になるまで食事をする
- 揚げ物など脂質の多い食事が多い
- 仕事が忙しく、急いで食事をする
- よくお酒を飲む
- 食後すぐに湯船に浸かる
- ストレスを感じることが多い
- お腹に圧力がかかる姿勢で長時間過ごしている
- タバコを吸う、副流煙を吸う環境で過ごす時間が長い
- 0個 胃の健康に良い生活習慣です
- 1~3個 いずれ胃に問題が発生する危険性があります
- 4個以上 既に胃に問題が発生していることが疑われます
胃もたれ症状で考えられる疾患
胃がムカムカする、胃もたれがある場合、食道や胃、十二指腸などの上部消化管の病気、循環器系や消化器、下部消化管の病気などによって引き起こされる場合があるため、気をつけなければいけません。代表的な疾患は次の通りです。
逆流性食道炎
胃の内容物が食道へ逆流する状態が続き、食道粘膜に炎症が起こる疾患です。主な症状としては、声嗄れや飲み込みにくさ、げっぷ、胃もたれ、みぞおち周辺の痛み、胸焼けなどが挙げられます。原因としては、お薬の副作用や腹部を圧迫する仕事や姿勢、下部食道括約筋の緩みなどが考えられます。
食道がん
食道がんは食道粘膜に生じるがんで、初期では症状に気づくケースが少ないですが、悪化した場合は、嗄れ声や咳、胃もたれ、痛み、食べ物などを飲み込んだ際に違和感が現れます。アルコールやタバコなどによって発症することが多く、アルコールで顔が赤くなる方は特に注意が必要です。
急性胃炎・慢性胃炎
食べ過ぎ・飲み過ぎやストレスなどが原因で、胃粘膜に炎症が急に生じる急性胃炎、ピロリ菌感染などが原因で、胃粘膜の炎症が長期間続く慢性胃炎は、いずれも胃もたれが起こる可能性があります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
げっぷや胸焼け、胃もたれ、吐き気、嘔吐、みぞおち周辺の痛みなどの症状が起こります。胃や十二指腸の粘膜がひどく損傷している状態で、悪化した場合は出血し、黒色便の下血や吐血などが見られる場合もあります。原因には、抗炎症薬の副作用やピロリ菌の感染などが挙げられます。
胃がん
胃粘膜に発症したがんであり、ピロリ菌感染が主な原因です。初期の頃は自覚症状を感じにくく、悪化した場合は吐き気や嘔吐、食欲低下、胃もたれ、胃痛などが生じます。また、出血して黒色便が現れる場合もあります。
機能性ディスペプシア
様々な要因により、胃の知覚機能や運動機能が低下して、少し食べただけで満腹になる早期飽満感、げっぷ、吐き気、胃痛、胃のむかつきなどの悩ましい症状が長引きます。
病院で検査したとしても、内分泌や消化器などにはっきりとした異常が見つかりません。
腸閉塞
大腸がんや腹膜炎、腸管手術後の癒着などによって腸管が狭窄し、ガスや便が滞留しやすくなる疾患です。胃もたれや腹部膨満感、ひどい腹痛などの症状を引き起こします。おならが出そうで出ない、便が出ないなどの症状が出ることも特徴として挙げられます。
虫垂炎(盲腸)
虫垂と呼ばれる盲腸の端から突出している部位に、便などが侵入して炎症が生じる疾患です。早期ではみぞおち周辺の痛みや胃もたれが現れます。悪化した場合、痛む場所が少しずつ下がり、最後は腹部の右下にひどい痛みが生じます。
循環器疾患
心筋梗塞などの循環器障害が起きた時も、心窩部痛や胃もたれ、吐き気、急に気分が悪くなるなどの症状が現れる場合があるため、注意しなければいけません。
胃もたれの検査・診断
まずは問診にて、症状の内容や症状が起こるきっかけ、既往症、飲んでいるお薬などについて詳細にお伺いします。強いストレスがある、非常に脂質の多い食事をした、食べ過ぎたなど、原因に心当たりがある場合は、その際にお申し出ください。
問診でお伺いした内容を基に、損傷部や病気を考え、適切な検査を実施します。上部消化管の病気が考えられる場合は胃カメラ検査を、その他の消化管の病気が考えられる場合は腹部エコー検査を実施します。また、感染の有無や炎症の程度を調べる目的で血液検査も実施します。
胃カメラ検査中に胃の組織を採取し、ピロリ菌感染を調べる検査も実施します。ピロリ菌に感染していることが分かった場合は、当院で引き続き除菌治療が可能です。
胃もたれの治し方
検査によって原因となる病気が分かった場合は、それに応じた適切な治療を実施します。胃もたれに対しては次のような治療法があります。
食事指導・生活習慣指導
脂質の多いものを減らして、ビタミンやミネラル、豆腐などの植物性たんぱく質、野菜など、バランスの取れた食事をするように努め、早食いや暴飲暴食をしないようにしましょう。寝る2時間以上前には夕食を済ませ、間食や夜食は控えてください。消化管の健康のためには運動も大切です。日頃から運動するようにしましょう。
また、過労やストレスから体を守り、自律神経のリズムを保つためには、規則正しい生活が重要です。起床時間や就寝時間、睡眠時間などの生活リズムを整えましょう。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌に感染した場合、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎などの疾患のリスクがあります。胃カメラ検査でピロリ菌感染が判明した場合は、タイミングを見計らって除菌治療を行えば、胃もたれなどの症状の緩和が期待できます。