胃痙攣とは（ぴくぴく・
じわじわ痛む、急な吐き気）
胃痙攣とは、何かしらの原因で胃の周辺の筋肉が痙攣した状態です。吐き気や嘔吐、腹痛などの症状が伴う場合もあります。その中でも悩ましいのが腹痛です。
胃が痙攣したように痛みが出るため、胃痙攣と呼ばれることが多いですが、実際には胃痙攣という病名はありません。
数分から数時間にわたって発作が続く場合があり、ひどい痛みのせいで冷や汗が出て動けなくなる場合もあります。症状の重症度や原因には個人差があるため、痛みがひどい方や症状が長続きする方は、当院までご相談ください。
胃痙攣の原因
胃痙攣の原因は多岐にわたりますが、代表的な原因は以下のようなものが挙げられます。
ストレスや精神的な緊張
不安やストレスなど精神的な問題により、胃の筋肉が影響を受けて痙攣が現れる場合があります。
食事の内容や食べ方
暴飲暴食やアルコールの過剰摂取、早食い、脂質の多いものや辛いものを食べることで、胃が影響を受けて痙攣を引き起こす場合があります。
消化器官の異常
腸や胃などの消化器官の病気が痙攣を引き起こす場合があります。腸の炎症や胃炎、胃潰瘍などが原因となります。
薬の副作用
特定のお薬を使うことで、神経や胃の筋肉の収縮が刺激され、痙攣が生じる場合があります。
消化器官の神経異常
自律神経のバランスが乱れて胃の動きに問題が生じ、痙攣が生じる場合があります。
胃痙攣の症状
胃痙攣の検査
まずは問診にて、症状が出るきっかけ、頻度や変化、飲んでいるお薬、基礎疾患、前日から当日までの食事方法などについて詳細にお聞きします。その内容に応じて適切な検査を行い、診断します。検査では、超音波検査や胃カメラ検査、血液検査などを実施します。
超音波検査
胃カメラ検査では調べられない胆のうや膵臓などを確認できます。胃痙攣だけではなく、他に異常が起きていないかも調べられます。
原因に合わせた治療法
漢方やストロカイン、ブスコパンなどのお薬を用いて症状を軽減させます。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群では、対処療法のみで症状が緩和する場合もあります。市販の鎮痛剤などをご自身の判断で用いると、症状が悪化する危険性もあるので、お悩みの症状がある方は当院までご相談ください。
胃がん
胃がんの治療は、進行度に応じて方法が異なります。早いタイミングでは、内視鏡を用いた治療で完治を目指せる場合も少なくありません。また、進行した場合でも、腹腔鏡を用いた手術など、患者様への負担が少ない治療を選べることがあります。胃がんの状態によっては抗がん剤治療や外科手術をする場合もあります。
機能性ディスペプシア
知覚過敏や機能的な問題によって症状が現れ、炎症などの病変は認められません。症状を軽減させる対処療法だけでなく、消化管機能改善のためのお薬が効果的な場合もあります。さらに、ストレス解消や生活習慣の見直しなども大切です。
胆石症
胆石のサイズなどによって治療方法が異なります。薬物療法や内視鏡を用いた除去などを実施します。
胃が痙攣した場合の対症療法
以下に記載するものは対処療法に過ぎないため、症状が長引く場合は速やかに当院にご相談ください。
胃に優しく柔らかいものを食べましょう
胃に負荷がかかっているため、胃痙攣が生じます。胃が圧迫されたり、炎症が生じていたりする場合もあるため、胃に優しいものを食べるようにしましょう。食欲が出ない時は水分不足に注意しながら、口に合うものを少しずつ食べましょう。
また、どうしても食欲がない場合は水分不足に気をつけて、食べられるものを少しずつ食べると良いでしょう。
胃を刺激するものは控えましょう
塩分や脂質が多いものは避けましょう。スパイスなどの調味料にも注意し、刺激の強いものは食べないでください。お酒も控えめにするのがお勧めです。
鎮痛鎮痙薬を使いましょう
激しい痛みがある場合、鎮痛鎮痙薬を応急処置として使用することによって、痛みを改善させることができます。
市販薬を使う場合、ご自身で判断することは非常に危険なため、必ず薬剤師に相談した上で使用するようにしましょう。