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天白橋の内視鏡ブログ

短期間の下痢、長期間の下痢、何がちがうんでしょうか?

大腸内視鏡検査

あなたは、お腹の不調、特に下痢に悩まされた経験はありませんか?

 

その原因は一体何でしょうか? 命に関わる重篤な病気が隠れているサインである可能性もあるのです。

 

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旅行先での食あたりや、風邪によるものなど、一時的な下痢は誰にでも経験があるかもしれません。しかし、もしそれが慢性的に、しかも数週間、数ヶ月と続く場合はどうでしょうか?

実は、下痢が長引く背景には、過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患(IBD)といった病気が潜んでいる可能性があります。

この記事では、下痢の原因と、その背後に隠れているかもしれない病気について詳しく解説していきます。もしかしたら、あなたのつらい下痢の原因も、この記事を読むことで明らかになるかもしれません。

下痢の原因を見つけるための3つのステップ

毎日元気に過ごしたいのに、お腹の調子が悪いとつらいですよね。特に、下痢が続くと、体もだるく感じて、日常生活にも支障が出てしまうかもしれません。「一体何が原因で下痢になっているんだろう」「このつらい下痢は、いつになったら治るのだろう」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

実は、下痢の原因を特定し、適切な治療を行うためには、いくつかの重要なステップがあります。今回は、そのステップを順番に解説していくので、一緒に下痢の原因を突き止め、一日も早く治療を始められるように、まずご自身の症状について考えてみましょう。

下痢はいつから?

下痢になった時に、まず確認していただきたいのは「いつから下痢が続いているか」ということです。

下痢は、大きく分けて「急性下痢」と「慢性下痢」の2つに分類されます。急性下痢は、文字通り数日以内で症状が治まるものを指します。一方、慢性下痢は、数週間以上、あるいは数ヶ月、数年という長い期間にわたって下痢が続く状態を指します。

例えば、旅行先で食べた生ものが原因で起こる食中毒や、ノロウイルスなどのウイルス感染が原因で起こる感染性腸炎の場合、多くは急性下痢で、数日以内に症状が治まります。

一方、過敏性腸症候群(IBS)や、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)といった病気は、慢性下痢を引き起こす代表的な病気です。これらの病気は、腸の運動異常や慢性的な炎症によって、長期間にわたって下痢の症状が続くことが特徴です。

このように、下痢の期間の長さによって、原因となる病気の可能性が大きく異なってきます。

下痢の期間 考えられる病気の例
数日以内 食中毒、感染性腸炎、ウイルス性胃腸炎
数週間以上 過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、薬剤性腸炎

どんな下痢?

下痢にも様々な種類があることをご存知でしょうか? 一口に下痢と言っても、水のような下痢や、便に血が混じる血便など、症状は人それぞれです。

例えば、水のような下痢の場合、ウイルス性腸炎や細菌性腸炎などの感染性腸炎が疑われます。これは、腸に炎症を起こすウイルスや細菌が、腸内の水分吸収を阻害するために起こります。

一方、便に粘液が混じっている粘液便や、血が混じっている血便の場合、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の可能性も考えられます。これらの病気では、腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じるため、粘液や血液が便に混ざることがあります。

また、下痢の回数や量、時間帯なども重要な情報です。例えば、夜間や早朝に下痢が続く場合は、炎症性腸疾患の可能性が高まります。

このように、下痢の症状を詳しく分析することで、原因となる病気をさらに絞り込むことが可能になります。

下痢の種類 特徴 考えられる病気の例
水様便 水分が多く、サラサラとした便 感染性腸炎、ウイルス性胃腸炎
粘液便 粘液が混じった便 炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、感染性腸炎
血便 便に血が混じっている 炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸がん、虚血性腸炎

どんな検査が必要?

下痢の原因を特定するために、いくつかの検査があります。検査は、下痢の症状、期間、診察所見などを総合的に判断して、医師が必要と判断した際に実施します。

1. 血液検査

血液検査では、炎症の有無や、貧血の程度、肝臓や腎臓などの臓器に異常がないかなどを調べることができます。採血は、注射器を使って腕の静脈から少量の血液を採取します。

2. 便検査

便検査では、便の中に血液が混じっていないか、細菌やウイルスなどの病原体がいないかなどを調べることができます。検査方法は、専用の容器に少量の便を採取するだけです。

3. 腹部超音波検査

腹部超音波検査(腹部エコー検査)では、お腹に超音波をあてて、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などの臓器に異常がないかを調べることができます。検査方法は、ゼリーを塗った探触子をお腹に当てて、画像をモニターに映し出します。痛みはほとんどありません。

4. 内視鏡検査

内視鏡検査は、口や肛門から内視鏡と呼ばれる細い管を入れて、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の内部を観察する検査です。検査では、ポリープや腫瘍などの病変がないか、炎症の程度などを確認します。必要に応じて、組織を採取して病理検査を行うこともあります。

これらの検査を行うことで、下痢の原因をより詳しく調べることができます。

検査方法 説明
血液検査 炎症の有無や肝臓、腎臓などの臓器の状態、貧血の程度などを調べます。
便検査 便に血液が混じっていないか、細菌やウイルスなどの病原体がいないかを調べます。
腹部超音波検査 お腹に超音波をあてて、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などの臓器に異常がないかを調べます。
内視鏡検査 口や肛門から内視鏡を入れて、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の内部を観察する検査です。必要があれば組織を採取して病理検査を行うこともあります。

下痢の原因となる病気

下痢は、私たちにとって非常につらい症状の一つです。適切な治療を受けるためには、何が原因で下痢が起きているのかを特定することが重要です。ここでは、下痢を引き起こす代表的な病気をいくつかご紹介します。

感染性腸炎

感染性腸炎は、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体が腸に感染することで起こる病気です。代表的なものとして、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが挙げられます。

「お腹がギュルギュル鳴って、トイレに駆け込む回数が増えた」「水のような便が続いている」「発熱や嘔吐もある」という場合、感染性腸炎の可能性があります。

感染性腸炎は、汚染された食品や水、感染者との接触によって感染します。例えば、ノロウイルスは少量でも感染力が強く、冬場に流行しやすいという特徴があります。

感染性腸炎の多くは、数日間の安静と水分補給で自然に治ることがほとんどですが、症状が重い場合は、医療機関を受診する必要がある場合もあります。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)は、検査ではっきりとした異常が見つからないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などの症状が慢性的に繰り返される病気です。「検査をしても異常がないと言われたけれど、下痢や便秘を繰り返してしまう」「ストレスを感じるとお腹が痛くなることが多い」という方は、過敏性腸症候群の可能性があります。

過敏性腸症候群の原因は完全には解明されていませんが、ストレスや生活習慣の乱れ、腸内環境の悪化などが関与していると考えられています。

過敏性腸症候群は、大きく分けて、下痢を主体とする下痢型、便秘を主体とする便秘型、下痢と便秘を繰り返す交代型に分類されます。

下痢型の過敏性腸症候群では、朝の通勤途中や会議の前など、緊張する場面で突然便意を催すことがあります。また、脂っこい食事や香辛料の強い食事など、特定の食品が症状の引き金になることもあります。

過敏性腸症候群の治療は、症状や生活習慣に合わせて、食事療法、薬物療法、認知行動療法などを組み合わせて行います。

炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患(IBD)は、免疫異常により腸に慢性的な炎症が起こる病気の総称です。代表的なものに、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる病気です。主な症状は、下痢、血便、腹痛などです。

一方、クローン病は、口から肛門までの消化管全体に炎症が起こる病気です。主な症状は、下痢、腹痛、発熱、体重減少、貧血などです。

炎症性腸疾患は、症状が改善と悪化を繰り返すことが多く、長期間にわたって治療を続ける必要があります。

潰瘍性大腸炎とクローン病は、内視鏡検査や画像検査などの結果を総合的に判断して診断されます。内視鏡検査では、腸の粘膜の状態を直接観察することができます。

炎症性腸疾患の治療は、薬物療法を中心に、食事療法、手術などを組み合わせて行います。

薬剤性腸炎

薬剤性腸炎は、服用している薬の副作用によって腸に炎症が起こり、下痢を引き起こす病気です。抗生物質や抗がん剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが原因となることがあります。

薬剤性腸炎の特徴は、薬の服用を開始してから数日~数週間で下痢などの症状が現れることです。

薬剤性腸炎は、原因となる薬の使用を中止することで症状が改善することがほとんどです。もし、服用中の薬で下痢などの症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談するようにしてください。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、検査ではっきりとした異常が見つからないにもかかわらず、胃のもたれ、痛み、吐き気などの症状が慢性的に続く病気です。下痢を伴うこともあります。「胃カメラ検査を受けたが、異常なしと言われたのに、胃の調子が悪い日が続く」「食後、胃がもたれやすく、吐き気がすることもある」という方は、機能性ディスペプシアの可能性があります。

機能性ディスペプシアの原因は完全には解明されていませんが、胃の運動機能の低下、胃酸分泌の異常、ストレスなどが関与していると考えられています。

機能性ディスペプシアの治療は、症状や生活習慣に合わせて、食事療法、薬物療法、認知行動療法などを組み合わせて行います。

名古屋市天白区の天白橋内科内視鏡クリニックで適切な治療を

下痢が続くと、日常生活に支障が出て不安になりますよね。もしかしたら、重大な病気なのではないかと心配になる方もいるかもしれません。

実際に、私のクリニックにも、下痢が続いているために不安を抱えて来院される患者さんは多くいらっしゃいます。

例えば、先日来院された40代の男性の患者さんは、2週間以上も下痢が続いていました。

「仕事中に急に便意をもよおして、トイレに駆け込むことが何度もあるんです」

「大事な会議の前に限って、お腹が痛くなってしまうんです…」

と、お困りの様子でした。

検査の結果、この患者さんは過敏性腸症候群(IBS)と診断されました。

過敏性腸症候群は、検査ではっきりとした異常は見つからないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などの症状が慢性的に繰り返される病気です。ストレスや生活習慣、腸内環境などが複雑に関係して起こると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

患者さんの中には、

「検査で異常がないと言われたのに、症状が続くなんて信じられない…」

「私の体はどうなっているんだろう…」

と、不安を募らせてしまう方も少なくありません。

天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さんの不安な気持ちに寄り添い、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。

内視鏡検査で原因を特定

下痢の原因はさまざまですが、検査によって原因を特定することが大切です。例えば、下痢が数週間以上続く慢性下痢の場合、過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患(IBD)などが考えられます。

下痢の原因を特定するために、当院では、まず、問診で詳しくお話を伺います。

いつから下痢が続いているのか、どのような種類の便が出るのか、腹痛や発熱などの症状を伴うのか、などをお伺いします。

その上で、血液検査、便検査、腹部エコー検査などを行います。これらの検査で異常が見つからない場合は、さらに詳しく調べるために、内視鏡検査を行います。

内視鏡検査は、口や肛門から内視鏡と呼ばれる細い管を入れて、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の内部を観察する検査です。検査では、ポリープや腫瘍などの病変がないか、炎症の程度などを確認します。必要に応じて、組織を採取して病理検査を行うこともあります。

内視鏡検査と聞くと、「つらそう」「痛そう」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、当クリニックでは、新しい技術を用いた高画質の内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を導入しており、消化器の内部をより詳細に観察することができます。

また、患者さんの負担を最小限に抑えるために、鎮静剤を使用するなど、さまざまな工夫を凝らしています。検査に関する不安や疑問があれば、お気軽にご相談ください。

個別相談で不安を解消

下痢の症状や原因、治療法は人によって異なり、不安に感じることも多いでしょう。天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や不安に寄り添い、丁寧なカウンセリングを行っています。

例えば、下痢が続く期間や便の状態、他に症状があるかどうかなどを詳しくお伺いし、考えられる病気や検査方法について分かりやすく説明します。

また、日常生活における注意点や食事指導なども行っています。疑問や不安なことがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

鶴舞線「原駅」から徒歩2分の好立地

天白橋内科内視鏡クリニックは、名古屋市営地下鉄鶴舞線「原駅」から徒歩2分の場所に位置しており、アクセスも良好です。また、提携駐車場も完備しておりますので、お車での来院も便利です。

地域のかかりつけ医として、風邪などの一般的な内科診療から、内視鏡検査、医療アートメイクなど、幅広い診療科目に対応しています。

何か気になる症状がありましたら、お気軽に天白橋内科内視鏡クリニックにご相談ください。

まとめ

下痢は期間の長さや症状によって原因が異なり、急性下痢と慢性下痢に分けられます。
急性下痢は食中毒や感染性腸炎が原因で、数日以内に治ることが多いです。
一方、慢性下痢は過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患(IBD)などが原因で、数週間以上症状が続きます。
下痢の原因を特定するために、医療機関を受診し、問診、血液検査、便検査、腹部エコー検査、内視鏡検査などを受けることが大切です。

 

全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。

詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。




令和6年10月15日 天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣

・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

参考文献

  • Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, Chey WD, Keefer LA, Long MD, Moshiree B. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. The American journal of gastroenterology 116, no. 1 (2021): 17-44.
  • 過敏性腸症候群の管理に関するACG臨床ガイドライン

追加情報

[title]: ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome.,

[summary]: ## 【タイトル】 過敏性腸症候群の管理に関するACG臨床ガイドライン

【要約】

  • 過敏性腸症候群(IBS)は非常に有病率が高く、患者の生活の質を著しく低下させる慢性疾患である。
  • IBS患者に対する診断検査と治療法の進歩により、グレーディング・オブ・レコメンデーション、アセスメント、デベロップメント、アンド・エバリュエーション(GRADE)方法論を用いたIBSの管理に関する初めてのアメリカ消化器病学会(ACG)臨床ガイドラインが開発された。
  • 包括的な文献検索の後、25の臨床的に重要な質問が評価された。9つの質問は診断検査に焦点を当て、16つの質問は治療オプションに焦点を当てた。
  • 修正されたデルファイ法を用いてコンセンサスを得た。GRADE方法論に基づいて、我々は以下を支持する。
    • 適切な治療開始までの時間を短縮するために、除外による診断戦略ではなく、肯定的な診断戦略を使用することを推奨する。
    • IBSと下痢症状のある患者では、セリアック病を排除するために血清学的検査を実施することを推奨する。
    • 炎症性腸疾患を排除するために、疑わしいIBSと下痢症状のある患者では便カルプロテクチンを検査することを推奨する。
    • IBS患者の全般的な症状を改善するために、低発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール(FODMAP)食を制限した試験を推奨する。
    • 便秘症状を伴う全般的なIBSの治療には、塩化物チャネル活性化剤とグアニル酸シクラーゼ活性化剤を使用することを推奨する。
    • 下痢症状を伴う全般的なIBSの治療には、リファキシミンを使用することを推奨する。
    • 全般的なIBS症状の治療には、腸内指向心理療法を使用することを推奨する。
  • ガイドラインには、診断戦略、特定の薬物、用量、治療期間に関する追加の記述と情報が記載されている。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33315591,

[quote_source]: Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, Chey WD, Keefer LA, Long MD and Moshiree B. "ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome." The American journal of gastroenterology 116, no. 1 (2021): 17-44.