アレルギーと内視鏡の関係
現代社会において、アレルギーはもはや他人事ではありません。まるで静かな住宅街に鳴り響く消防車のサイレンのように、私たちの免疫システムが過剰反応を起こし、様々な不調を引き起こすアレルギー。その種類は食物から花粉、薬物まで多岐にわたり、症状もじんましん、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど深刻なものも含まれます。
実は、アレルギーと内視鏡検査には深い関係があることをご存知でしょうか?この記事では、アレルギーの種類や症状、検査方法に加え、アレルギー性胃腸炎など、内視鏡検査が診断に役立つケースについても詳しく解説します。具体的な症状や検査方法、最新のバイオマーカー研究にも触れ、アレルギーに悩むあなたにとって、適切な情報源となることを目指します。
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内視鏡といえば天白橋。内科もやっぱり天白橋。天白橋内科内視鏡クリニックの院長野田です。

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アレルギーの種類と主な症状3選
アレルギーは、私たちの免疫システムが、本来無害な物質(アレルゲン)に過剰反応することで引き起こされる症状です。まるで、静かな住宅街に突如サイレンを鳴らしながら消防車が駆けつけるようなものです。本来であれば火災など緊急事態の際に活躍する消防車ですが、誤報で出動してしまうと、近隣住民にとっては騒音でしかありません。これと同じように、私たちの体はアレルゲンという「誤報」に対して過剰に反応し、様々な症状を引き起こしてしまうのです。
当院は内科・内視鏡クリニックとして、地域医療に貢献するため、風邪などの一般的な症状から内視鏡検査、そしてアレルギーまで、幅広く診療を行っています。地下鉄原駅より徒歩2分、提携駐車場も完備していますので、お車でも公共交通機関でも通院しやすい環境です。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
食物アレルギー:じんましん、呼吸困難、アナフィラキシーショック
食物アレルギーは、特定の食品を摂取することで、じんましん、呼吸困難、アナフィラキシーショックといったアレルギー反応を引き起こすものです。原因となる食品は人それぞれですが、鶏卵、牛乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニなどが代表的です。
例えば、卵アレルギーの方は、卵が含まれるマヨネーズやケーキなどを食べた後、数分から数時間以内に症状が現れることがあります。皮膚が赤く腫れ上がり、かゆみを伴うじんましんが出たり、咳や呼吸困難といった呼吸器症状が現れることもあります。さらに重症化すると、アナフィラキシーショックという生命に関わる危険な状態に陥る可能性もあるため、注意が必要です。
アナフィラキシーショックは、血圧の急激な低下や呼吸停止などを引き起こす、非常に危険な状態です。まるで、体内のシステムが一気にシャットダウンしてしまうようなものです。迅速な対応が求められるため、アドレナリン自己注射薬の携帯と適切な使用が不可欠となります。
当院では、アレルギーの検査として血液検査(IgE抗体検査)や皮膚テスト(プリックテスト)などを実施しています。また、原因食物を特定するために、除去試験や誘発試験を行うこともあります。食物アレルギーの治療は、原因となる食品を摂取しない「除去」が基本となります。
花粉症:くしゃみ、鼻水、目のかゆみ
花粉症は、スギやヒノキ、ブタクサなどの植物の花粉がアレルゲンとなって引き起こされるアレルギー性鼻炎です。花粉が鼻の粘膜に付着すると、免疫システムが過剰に反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血といった症状が現れます。まるで、鼻や目が花粉という異物から身を守ろうとしているかのようです。
花粉症の症状は、花粉の飛散時期に現れます。症状の程度は花粉の量や個人の感受性によって異なり、軽い場合は市販薬で症状を抑えられることもありますが、症状が重い場合は医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
薬物アレルギー:発疹、かゆみ、呼吸困難
薬物アレルギーは、特定の薬物がアレルゲンとなって引き起こされるアレルギー反応です。抗生物質や解熱鎮痛剤、造影剤など、様々な薬物が原因となる可能性があります。症状は、皮膚の発疹やかゆみ、じんましん、呼吸困難、そして重篤な場合はアナフィラキシーショックまで、多岐にわたります。
薬物アレルギーは、服用した薬の種類や個人の感受性によって症状の重さが異なります。軽度であれば薬の服用を中止することで症状が改善することもありますが、重症の場合は医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
近年、ワイヤレスカプセル内視鏡(WCE)は小腸の画像診断において重要な検査法として確立されています。WCEは、小型カメラを内蔵したカプセルを飲み込むことで、小腸内部の画像を撮影する検査です。小腸の疾患診断に役立つ情報を提供しますが、アレルギー反応の診断に直接用いられるわけではありません。しかし、アレルギーが原因で消化管に症状が出ている場合、ワイヤレスカプセル内視鏡検査が診断の手助けとなることがあります。例えば、アレルギー性腸炎などで小腸に炎症や潰瘍が生じている場合、WCEによってそれらの病変を視覚的に確認することが可能です。
アレルギーの検査と診断方法
「もしかしてアレルギー?」と気になる症状があれば、まずは検査で原因を突き止めることが大切です。原因がわかれば、症状を和らげ、快適な生活を送るための対策を立てることができます。天白橋内科内視鏡クリニックでは、内科全般の相談を受け付けており、患者さん一人ひとりの症状やご希望に合わせた丁寧なアレルギー検査を行っています。地下鉄原駅より徒歩2分、提携駐車場も完備していますので、お気軽にご相談ください。
血液検査:IgE抗体検査など
血液検査では、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対する特異的IgE抗体の量を測定します。IgE抗体は、アレルギー反応の引き金となる物質で、体の中にアレルゲンが侵入してきた際に、体を守るための免疫システムの一部として働きます。特定のアレルゲンに対するIgE抗体の値が高い場合は、その物質にアレルギーを持っている可能性が高いと判断します。
例えば、スギ花粉症が疑われる場合は、スギ花粉特異的IgE抗体を測定します。食物アレルギーやダニアレルギーなど、様々なアレルゲンに対するIgE抗体を測定することができます。血液検査は少量の採血だけで様々なアレルギーを調べることができ、痛みも少ないため、お子様からご高齢の方まで安心して受けていただけます。採血は注射針を刺す一瞬の痛みはありますが、その後はほとんど痛みはありません。
皮膚テスト:プリックテスト、パッチテストなど
皮膚テストは、アレルゲンを皮膚に直接触れさせて、アレルギー反応が起こるかを確認する検査です。プリックテストでは、少量のアレルゲンを皮膚に針で浅く刺し、数分後に反応を見ます。短時間で結果がわかるため、すぐにアレルギーの原因を知りたい場合に有効です。パッチテストは、アレルゲンを染み込ませたパッチを皮膚に貼り、一定時間後に反応を見ます。主に接触性皮膚炎などの遅延型アレルギーの診断に用いられます。注 当院ではやってりません。
症状、問診、視診による診断
問診では、症状、発症時期、生活環境、家族歴など、様々な情報をお聞きします。「いつから症状が出始めたのか」「どのような時に症状が悪化するのか」など、些細なことでも構いませんので、お気軽にお話しください。医師は、患者さんから提供された情報を手がかりに、まるで探偵のようにアレルギーの原因を探っていきます。
視診では、皮膚の状態や呼吸の状態などを確認します。例えば、皮膚に発疹やかゆみがあるか、呼吸がゼーゼーしていないかなどを観察します。問診と視診によって、アレルギーの種類や重症度をある程度推測することができます。問診と視診は、他の検査と組み合わせて総合的に判断することで、より正確な診断につながります。当クリニックでは、患者さんとのコミュニケーションを重視し、丁寧な問診と視診を心がけています。
除去試験と誘発試験
除去試験は、アレルギーの原因物質を特定するために、疑わしい食物や環境物質を一定期間除去し、症状が改善するかを確認する試験です。例えば、牛乳アレルギーが疑われる場合は、牛乳を含む食品を2週間ほど除去し、症状が改善するかを観察します。誘発試験は、除去試験である程度原因物質が絞り込まれた後、少量の原因物質を摂取または接触させ、アレルギー反応が起こるかを確認する試験です。誘発試験は、アレルギー反応を誘発する可能性があるため、専門医の監督下で行う必要があり、当院ではやっておりません。
内視鏡検査の役割と必要性
アレルギー疾患の中には、内視鏡検査が必要となるケースがあります。例えば、食物アレルギーが原因で消化管に炎症が起きている場合や、特定の食物を摂取した後に腹痛や下痢などの症状が現れる場合などです。内視鏡検査では、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の状態を直接観察することができます。炎症の程度や範囲、潰瘍の有無などを確認することで、アレルギー性胃腸炎などの診断に役立ちます。
内視鏡検査は、口または肛門から内視鏡という細い管を挿入し、消化管の内部を観察する検査です。検査中は多少の不快感や違和感を感じることもありますが、当クリニックでは経験豊富な内視鏡専門医が、苦痛の少ない内視鏡検査を行っていますので、ご安心ください。
潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が起こる病気で、下痢や腹痛、血便などの症状が現れます。潰瘍性大腸炎の診断は、臨床症状、内視鏡検査、組織検査の結果に基づいて行います。感染性腸炎などの他の疾患を除外することも重要です。炎症性腸疾患(IBD)には、潰瘍性大腸炎とクローン病がありますが、症状が似ていても治療法は大きく異なりますので、正しい診断が重要です。
アレルギー性胃腸炎と治療の選択肢
アレルギー性胃腸炎は、特定の食品が原因で起こるアレルギー反応によって、胃や腸に炎症が起きる疾患です。まるで、体の中に小さな消防士がいて、本来無害な食べ物に対して誤って消化管内で火災報知器を鳴らしてしまうようなものです。この誤報によって、腹痛や下痢といった症状が引き起こされます。放っておくと日常生活に支障をきたすこともありますので、適切な診断と治療が重要です。当クリニックは、内科全般の相談を受け付けており、アレルギー性胃腸炎についても専門的な知識と経験に基づいた診療を提供しています。地下鉄原駅より徒歩2分、提携駐車場も完備していますので、お気軽にご相談ください。
アレルギー性胃腸炎の症状:腹痛、下痢、嘔吐など
アレルギー性胃腸炎の主な症状は、腹痛、下痢、嘔吐です。その他、吐き気、腹部の膨満感、けいれん、血便、粘液便などがみられることもあります。これらの症状は、アレルゲンとなる食品の種類や量、そして個人のアレルギー反応の強さによって、大きく異なります。
腹痛は、キリキリとした痛みや、鈍い痛みなど、様々な形で現れます。下痢は、水のような便や軟便が頻回に起こる状態です。嘔吐は胃の内容物を吐き出すことで、胃の不快感を一時的に軽減しようと体が反応している状態です。
これらの症状に加えて、乳幼児の場合は、湿疹やアトピー性皮膚炎、喘息といった他のアレルギー症状を合併することもあります。アレルギー性胃腸炎は、原因となる食品を摂取してから数分~数時間後に症状が現れることが多いですが、半日以上経ってから症状が現れる場合もあります。症状が軽い場合は自然に治まることもありますが、重症化すると脱水症状や栄養不良を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
原因食物の除去
アレルギー性胃腸炎の治療で最も重要なのは、原因となる食品を特定し、それを食事から除去することです。原因食物の特定には、問診、血液検査(IgE抗体検査)、皮膚テスト(プリックテスト)、除去試験、誘発試験など、様々な方法があります。
血液検査では、特定の食品に対するIgE抗体の量を測定します。IgE抗体は、アレルギー反応に関与する抗体の一種で、この値が高いほど、その食品にアレルギーを持っている可能性が高くなります。皮膚テストでは、少量のアレルゲンを皮膚に付けて反応を見ます。数分から数十分で結果がわかるため、迅速な診断に役立ちます。除去試験は、疑わしい食品を一定期間除去し、症状が改善するかを確認する試験です。誘発試験は、除去試験である程度原因物質が絞り込まれた後、少量の原因物質を摂取し、アレルギー反応が起こるかを確認する試験です。専門医の監督下で行う必要があり、当院ではやっておりません。
代表的な原因食物としては、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、甲殻類(エビ、カニなど)、魚類などが挙げられます。これらの食品は、加工食品にも含まれていることが多いため、原材料表示をよく確認することが重要です。外食の際も、使用されている食材について店員に確認するなど、注意が必要です。
薬物療法:抗ヒスタミン薬、ステロイド薬など
原因食物の除去が最も重要ですが、症状を緩和するために薬物療法を行うこともあります。抗ヒスタミン薬は、かゆみやじんましんといったアレルギー症状を和らげる効果があります。ステロイド薬は強い抗炎症作用があり、重症の場合に使用されます。
近年、炎症性腸疾患(IBD)の活動性を評価するための非侵襲的なバイオマーカーが注目されています。糞便カルプロテクチンは、IBDの診断や活動性評価に有用なバイオマーカーとして研究されており、内視鏡検査の負担軽減に繋がる可能性があります。また、血清バイオマーカーやマイクロRNAなどもIBDの予後予測や治療管理に役立つ可能性が示唆されています。これらのバイオマーカーは、患者さんの負担を軽減しながら、より適切な治療を提供するために役立つと考えられます。
食生活の改善と日常生活の注意点
アレルギー性胃腸炎の再発を予防するためには、食生活の改善と日常生活における注意点を守ることが重要です。バランスの取れた食事を摂り、腸内環境を整えることは、アレルギー症状の緩和に繋がります。また、規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとることも大切です。ストレスはアレルギー症状を悪化させる要因となるため、適度に運動したり、リラックスする時間を作るなど、ストレスを溜め込まない工夫も必要です。
天白橋内科内視鏡クリニックでの治療方針
天白橋内科内視鏡クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や生活習慣に合わせた丁寧な診療を心がけています。アレルギー性胃腸炎の治療では、問診、血液検査、皮膚テストなどを通して原因食物を特定し、食事指導を行います。必要に応じて薬物療法も行います。また、当院は内視鏡検査にも対応しており、他の消化器疾患との鑑別や、より詳細な診断を行うことができます。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事ではアレルギーの種類、検査方法、アレルギー性胃腸炎について解説しました。アレルギーは、免疫システムが過剰反応することで様々な症状を引き起こします。原因を特定するために、血液検査や皮膚テストなどが行われます。アレルギー性胃腸炎は、特定の食品が原因で胃腸に炎症を起こす疾患で、腹痛や下痢などの症状が現れます。治療の基本は原因食物の除去ですが、症状に応じて薬物療法も用いられます。内視鏡検査は、消化管の状態を直接観察し、アレルギー性胃腸炎の診断や他の消化器疾患との鑑別に役立ちます。気になる症状があれば、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。天白橋内科内視鏡クリニックでは、アレルギーに関する様々な相談に対応していますので、お気軽にご相談ください。
全ては患者さんの「もっと早く治療しとけばよかった・・・」を無くしたいから。
詳しくは当院のホームページ(←こちらをクリック)からどうぞ。
令和7年4月18日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
参考文献
- ASGE Technology Committee, Wang A, Banerjee S, Barth BA, Bhat YM, Chauhan S, Gottlieb KT, Konda V, Maple JT, Murad F, Pfau PR, Pleskow DK, Siddiqui UD, Tokar JL and Rodriguez SA. "Wireless capsule endoscopy." Gastrointestinal endoscopy 78, no. 6 (2013): 805-815.
- Kaenkumchorn T and Wahbeh G. "Ulcerative Colitis: Making the Diagnosis." Gastroenterology clinics of North America 49, no. 4 (2020): 655-669.
- Khaki-Khatibi F, Qujeq D, Kashifard M, Moein S, Maniati M and Vaghari-Tabari M. "Calprotectin in inflammatory bowel disease." Clinica chimica acta; international journal of clinical chemistry 510, no. (2020): 556-565.
- Liu D, Saikam V, Skrada KA, Merlin D and Iyer SS. "Inflammatory bowel disease biomarkers." Medicinal research reviews 42, no. 5 (2022): 1856-1887.
- Flynn S and Eisenstein S. "Inflammatory Bowel Disease Presentation and Diagnosis." The Surgical clinics of North America 99, no. 6 (2019): 1051-1062.
追加情報
[title]: Wireless capsule endoscopy.
ワイヤレスカプセル内視鏡 【要約】
- 近年、ワイヤレスカプセル内視鏡(WCE)は小腸の画像診断において重要な検査法として確立されている。
- 安全で比較的容易な手技であり、小腸疾患の診断に貴重な情報を提供する。
- 食道や結腸への適用は依然として限定的である。
- 今後の開発としては、食道内での視覚化の改善、消化管内でのカプセルの操作や生検機能を可能にする技術開発などが挙げられる。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24119509
[quote_source]: ASGE Technology Committee, Wang A, Banerjee S, Barth BA, Bhat YM, Chauhan S, Gottlieb KT, Konda V, Maple JT, Murad F, Pfau PR, Pleskow DK, Siddiqui UD, Tokar JL and Rodriguez SA. "Wireless capsule endoscopy." Gastrointestinal endoscopy 78, no. 6 (2013): 805-815.
[title]: Ulcerative Colitis: Making the Diagnosis.
潰瘍性大腸炎の診断 【要約】
- 潰瘍性大腸炎は結腸の炎症性疾患である。
- 診断は、臨床症状、内視鏡検査、組織学的パラメーターに基づき、他の原因が否定された場合に行われる。
- 感染症などの鑑別診断は幅広く、特に感染症の可能性は考慮し除外する必要がある。
- 血液検査や画像検査も診断に役立つが、内視鏡検査が診断のゴールドスタンダードである。
- 正確な診断と病期分類は、治療法と予後を左右するため極めて重要である。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33121687
[quote_source]: Kaenkumchorn T and Wahbeh G. "Ulcerative Colitis: Making the Diagnosis." Gastroenterology clinics of North America 49, no. 4 (2020): 655-669.
[title]: Calprotectin in inflammatory bowel disease.
炎症性腸疾患におけるカルプロテクチン 【要約】
- 炎症性腸疾患(IBD)とは、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性胃腸疾患の総称であり、遺伝的に感受性のある個体において腸内常在菌に対する免疫応答の異常によって発症する。
- IBDの診断と治療には、大腸内視鏡検査と炎症を起こした腸生検組織の病理組織学的評価がゴールドスタンダードとされているが、侵襲的で費用もかかる。
- 近年、糞便カルプロテクチンがIBDの診断と非侵襲的管理のためのバイオマーカーとして注目されている。
- 糞便カルプロテクチンは、IBDと過敏性腸症候群(IBS)の鑑別、IBDの内視鏡的および組織学的活動性の予測、ならびに疾患再発の予測において有効性が検討されている。
- これらの研究の中には有望な結果を示したものもある一方、限界を示した研究もある。
- 本論文では、糞便カルプロテクチンの測定法について簡単に説明した後、これら研究の中で最も興味深いものをレビューし、糞便カルプロテクチンが大腸内視鏡検査の潜在的な代替マーカーとなり得るかどうかを検討している。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32818491
[quote_source]: Khaki-Khatibi F, Qujeq D, Kashifard M, Moein S, Maniati M and Vaghari-Tabari M. "Calprotectin in inflammatory bowel disease." Clinica chimica acta; international journal of clinical chemistry 510, no. (2020): 556-565.
[title]: Inflammatory bowel disease biomarkers.
炎症性腸疾患バイオマーカー 【要約】
- 炎症性腸疾患(IBD)は、クローン病と潰瘍性大腸炎の2つの主要なサブタイプを含む、消化管の慢性炎症を特徴とする疾患です。
- IBDの診断と治療管理には、生検を併用した内視鏡検査が最も効果的です。
- IBDのモニタリングには画像技術も開発されていますが、高価で侵襲的であり、患者に痛みや不快感を与えるという欠点があります。
- そこで、患者への負担が少ない非侵襲的なバイオマーカーが、IBDの予後予測と治療管理のためのツールとして注目されています。
- 本レビューは、近年注目されている新規バイオマーカー(血清バイオマーカーとマイクロRNA)に焦点を当てています。これらのバイオマーカーは、患者の不快感と罹患率を軽減するIBDの治療管理に利用できる可能性があります。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35603998
[quote_source]: Liu D, Saikam V, Skrada KA, Merlin D and Iyer SS. "Inflammatory bowel disease biomarkers." Medicinal research reviews 42, no. 5 (2022): 1856-1887.
[title]: Inflammatory Bowel Disease Presentation and Diagnosis.
炎症性腸疾患の症状と診断 【要約】
- 炎症性腸疾患(IBD)を適切に治療するためには、その症状と検査を十分に理解することが不可欠である。
- クローン病と潰瘍性大腸炎は多くの共通した臨床症状を共有するが、治療法は大きく異なる。
- 本論文では、IBDの発症と症状に寄与する要因、そして適切な診断に至るための診断方法および検査方法について解説している。
- 本論文は、後続の論文で議論される疾患のより複雑な側面を理解するための基礎としても役立つ。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31676047
[quote_source]: Flynn S and Eisenstein S. "Inflammatory Bowel Disease Presentation and Diagnosis." The Surgical clinics of North America 99, no. 6 (2019): 1051-1062.