女性が大腸カメラを受けるのは恥ずかしいですか?
ちょっと恥ずかしい…
痛そう…
つらそう…
できれば受けたくない…
もしかすると、そんな気持ちを抱えていませんか?
実は私たちのクリニックにも、そうおっしゃる女性の方がたくさんいらっしゃいます。
でも、受けたあとは、ほとんどの方が口を揃えてこう言うのです。
「思ってたより全然ラクだった」
「こんなことなら、もっと早く受ければよかった」
今回は、女性のあなたにこそ知ってほしい「やさしい大腸内視鏡検査」のことを、ていねいにお話しします。
大腸カメラが必要なら内視鏡のページから→こちら
現代社会において、大腸がんは早期発見・治療が重要視されています。その有効な手段として注目される大腸内視鏡検査ですが、検査前の食事制限が重要となることはご存知でしょうか?
大腸内視鏡検査の目的と重要性
「大腸カメラ検査」と聞くと、どうしても「痛い」「怖い」「恥ずかしい」といったネガティブなイメージが先行してしまうかもしれません。私自身、医師になる前はそう思っていました。しかし、内視鏡専門医として多くの検査に携わる中で、大腸カメラ検査は健康を守る上で非常に重要な検査であると確信しています。
皆さんは、自分の体の中に、知らないうちに病気が潜んでいるかもしれないと想像したことはありますか?大腸の病気は、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに進行してしまうケースが少なくありません。
大腸カメラ検査は、まさにこの「気づかないうちに進行する病気」を発見するための重要なツールなのです。お腹の中を直接カメラで観察することで、早期の段階で病変を発見し、適切な治療につなげることができます。
早期発見のメリットは計り知れません。治療の負担が軽くなるだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながります。最近では、50歳未満で発症する早期発症大腸がん(eoCRC)が増加しており、米国では癌関連死亡の第3位の原因となっています。
生活習慣や食生活の変化などが影響していると考えられています。だからこそ、若い世代でも大腸内視鏡検査の重要性を認識する必要があります。
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令和7年5月16日
天白橋内科内視鏡クリニック 野田久嗣
・医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本消化器病学会消化器病専門医
・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
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参考文献
- Venugopal A, Carethers JM. Epidemiology and biology of early onset colorectal cancer. EXCLI journal 21, no. (2022): 162-182.
追加情報
[title]: Epidemiology and biology of early onset colorectal cancer.,
早期発症大腸がんの疫学と生物学
【要要約】
- 大腸がんは、米国では男性または女性の癌関連死亡の第3位の原因である。
- 50歳から始まる平均リスクのスクリーニングは、50歳以上の患者における大腸がんの発生率と死亡率を低下させた。
- 一方、50歳未満の患者における大腸がんの発生率(早期発症大腸がん(eoCRC))は近年急増している。
- 本稿では、eoCRCの危険因子、eoCRCにおける臨床病理学的所見と転帰の違い、およびeoCRCと後期発症大腸がん(loCRC)と比較したときのeoCRCにおける変化した分子経路に関する最近の文献を要約する。
- eoCRCの疫学的研究は、遠位結腸と直腸に偏っており、糖尿病、肥満、食事、座りがちな時間、飲酒、喫煙などの多くの修正可能な危険因子と関連している。
- 抗生物質の先行暴露と微生物叢の変化または直接的な発がん物質への暴露の潜在的な危険因子に関するデータは、まだ明らかになっていない。
- 診断の遅れやより攻撃的な腫瘍生物学のために、eoCRCの臨床病理学的特徴が提示時に攻撃的になる可能性がある。
- ステージが一致していれば、eoCRCの転帰はloCRCと似ているが、若い年齢で進行期疾患の頻度が高いため、全体的な死亡率は高く、より多くの生存年数が失われる。
- これまでにeoCRCの分子評価はほとんど行われておらず、loCRCと比較して、TP53とCTNNB1の体細胞変異の潜在的な増加と、APC、KRAS、BRAFの体細胞変異の減少が認められている。
- その他の知見には、LINE-1の低メチル化、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の欠如、染色体不安定性(CIN)またはマイクロサテライトと染色体の安定性(MACS)の存在がある。
- これらの研究はまだ始まったばかりで、eoCRCを定義する特定の分子シグネチャーはまだ特定されていない。
- eoCRCの遺伝的および分子的な違いと環境的トリガーを評価するさらなる研究は、症状のないリスクの高い若い個人のための標的スクリーニングを知らせるためのより明確な理解を提供するだろう。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35221839,
[quote_source]: Venugopal A and Carethers JM. "Epidemiology and biology of early onset colorectal cancer." EXCLI journal 21, no. (2022): 162-182.